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JFA審判委員会、審判委員長が名指しで選手批判、審判に批判される覚悟はあるのか?


Jリーグ

普段からJリーグを見ている人は顕著に感じていると思うが、審判の質があまりにも低すぎることに異を唱える方は少ないだろう。そもそもVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)がありながら毎試合信じられない低レベルの誤審が発生し、DAZN「ジャッジリプレイ」で検証され、ジャッジを否定されているのだ。そんな中、JFAの審判委員長の口から信じられない発言がされたことで、クラブが抗議するという事態に発展している。

JFA審判委員長、扇谷健司氏が「選手を名指しで批判」

5月14日の国立競技場でのJリーグ30周年記念試合「鹿島vs名古屋」戦において、不当に取り消されたゴールに異を唱えた鹿島FW鈴木優磨選手。その後同じシチュエーションでゴールを決め、不当な判定を下した同選手はレフェリーを睨む行為をおこなった。

もちろん行為自体は褒められたものではないし、いくら意図的な誤審があったとはいえピトゥカ選手が間に割って入らなければ最低でもイエローカードは提示されていただろう。これに関しては批判があって然るべきものだとは、誰しもが考えるであろう。

そして迎えた6月2日、日本サッカー協会(JFA)の扇谷健司審判委員長が、マスコミ向けのブリーディングでにわかには信じられない発言をした。なんと、大一番であるアウェイでの浦和レッズ戦直前に審判委員長である扇谷氏が名指しで一人の選手を名指しで批判したのだ。更に審判マネージャーの東城氏も、これに乗っかる発言をしている。

「あってはならない」「リスペクトに欠ける」

なにをいわんや、である。あってはならないのは「誤審」であり、「選手への個人攻撃」だ。常識的に考えてあり得ないことではあるが、鈴木優磨選手が不当な扱いを受け続けていることもあり「素行の悪い選手」という印象を植え付けられてしまっているも事実。

それを踏まえれば、審判委員長が敢えて3週間遅れでこの発言をすることに「意図的なもの」があると捉えられるのは仕方がないことだろう。どう考えても正気の沙汰ではない。

ちなみに扇谷健司氏は、2007年33節の浦和-鹿島戦、浦和が勝つか引き分けでも優勝という大一番でも信じられないようなレフェリングをしている。鹿島にとって不可解なレッド2枚(うち1枚はイエロー2枚目)とイエロー5枚で最終的に9人での戦いを余儀なくされたのだ。(結果は鹿島が0-1で勝利)

2007年の浦和-鹿島戦は、2試合とも主審を扇谷氏が務めているのもポイント。同一年度で同じカードを同じ主審というのも不可解だし、この年は鹿島-大分戦でも信じられないレフェリングで、後日鹿島が得るはずだった3つのPKを「流した」として語り継がれている。

今回の件と2007年の件は「全く違う」し、「全く関係のない」ことではある。偶然「同一人物だった」というだけの話なので、そのあたりを深く追求しても仕方ないだろう。

参考:スポーツ報知

鹿島アントラーズがクラブとして抗議文を提出したのだが……

これを受けて、鹿島アントラーズはクラブとしてJFA審判委員会に抗議文を提出。

試合日から本日に至るまで、委員会からクラブならびに選手への注意などは受けていない
公式戦直前のタイミングでレフェリーブリーフィングでコメントが発出された
審判員が特定される表現や発言が避けられている中で、当該選手の行為については選手名が特定されている

選手を守るという意味でも、クラブの判断は迅速で正しいものだったのではないだろうか。誤審をしても審判は守られ、選手は矢面に立たされるのが現状。これは鹿島だけの話ではなく、全てのJクラブも共有して再発防止に務める必要があるはず。そもそも判定に問題がなければ、何事も起こらないわけなので。

注目の浦和レッズvs鹿島アントラーズ戦の結果は……

こうなってくると、注目の一戦をスタジアムで見たくなってくる。実際にさいたまスタジアムに行って、一連の騒動の影響が出ているのか、肌で感じたくなるのだ。(Jリーグ見てないのにゴチャゴチャうるせえよ!って言われるのも本意ではないので)

6月4日、1年ぶりの埼スタへ。前日の大雨で、調整池はご覧の通り。コレがなければ、もしかしたら周辺が大変なことになっていたかも……。

余計な話題がなくても注目される一戦、開始前から溢れんばかりの熱気!熱気!熱気!

興梠選手のお兄さんが経営している「ローストチキン・コオロギ」には、浦和サポと鹿島サポが入り混じって大変な行列!今回は趣旨が違うのでグルメレポは無いけれど、こちらのローストチキンの美味さたるや!埼スタに来たら、とにかく食べて欲しい一品。

試合前のクラブコールで、浦和サポーターからの大ブーイング!これでこそサッカー!これでこそ浦和と鹿島!そして鹿島戦名物、コレオグラフィー!これこそが最高の「おもてなし」だと思っている。

Jleague

試合は、サッカー新聞エルゴラッソが「J最高峰の0」と称するほどのスコアレスドロー。90分どこをとっても見応えたっぷりの好ゲーム。やはりACLを制した浦和は素晴らしいチームだった。そしてMVPはこの難しいゲームで主審を務めた、普段はプレミアリーグで笛を吹くアンドリュー・マドレイ氏。

少なくとも50回は生で見ている「浦和vs鹿島」戦。今まででいちばんストレスなく試合に集中できたことは間違いない。誤解されないようにハッキリいうと、今までの審判は「どっちより」という話ではなく、ジャッジに一貫性がないので、どう見ていてもストレスが溜まる。特に扇谷氏のレフェリングは「あってはならない」レベルだった。

試合前に思わぬ「敵」のせいで試合が荒れないかと心配だったものの、終わってみればハイレベルの攻防と正確なジャッジを堪能出来る好ゲームだったのは、浦和と鹿島が築き上げてきた「歴史」も要因の一つだろう。

今回は審判委員長が一人の選手を名指しで「叩く」という前代未聞の出来事に、クラブ側が講義するという図式。一部報道やサッカーファンもどきが「選手を非難」するという暴挙に出ているが、Jリーグを見ていて審判に疑問を抱かないクラブのサポーターは本当に幸せとしかいいようがない。

鹿島に限らず、対戦相手の浦和レッズ、そしてガンバ大阪やFC東京などは「一貫しないレフェリング」のせいで勝点を落としている印象が強い。全てをレフェリングに求めるのは酷かもしれないが、明らかな「誤審」を連発しておいて選手をスケープゴートにするなど言語道断。

「あってはならない」のは誤審、「リスペクトに欠ける」のは選手を見下している「一部」の審判だ。それに付け加えると、今回も鹿島サポーターがスタジアム警備員に暴力を振るうという事件も起きている。鹿島というクラブは、そういった「厄介」にも厳しい対応をしないと、身内に甘いクラブというレッテルを貼られることになってしまう。

Jリーグが発足して30年。レフェリングは正確かつ厳粛に、クラブは真摯にサッカーに向き合い、サポーターは安全なスタジアムに足を運べるように自浄する必要がある。そのためには、誹謗中傷に対してはもっと強気に排除する方向に舵を切る必要があるだろう。

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