欧州へビジネスクラス往復16万円台は”買い”なのか？【橋賀秀紀のフカボリ！】
みなさんはじめまして。トラベルジャーナリストの橋賀秀紀（はしが・ひでき）と申します。みなさんと同様、私も日々「Traicy（トライシー）」を参考にして、次はどこに行こうかあれこれ考えています。
この連載では、Traicyで日々発信される情報のなかから1週間に1本程度記事をピックアップして、そのキャンペーンなどを使ってどのようなことが可能になるのか、あるいはその情報のポイントについてさらに詳しく解説してみようと思います。また、Traicyの記事になっていない情報でも、有益なものがあればその都度紹介していきます。
第1回は、4月20日に発信されたこの記事です。
スカンジナビア航空、日本就航65周年セール開催 ヨーロッパ行きビジネスクラスが総額10万円台
http://www.traicy.com/20160420-SKsale
このキャンペーンで目を引いたのは、やはりビジネスクラスでしょう。成田から欧州まで往復165,000円という金額設定は過去類をみないものです。格安のビジネスクラスで知られるエティハド航空やカタール航空ですら、欧州往復170,000円という壁を破ることはできませんでした（昨今の円高も多少影響していると思われますが）。
まして、所要時間の短い欧州系航空会社。さらに座面が斜めに傾いたライフラットシートではなく、完全なフルフラットシートのビジネスクラス「SAS Business」で、全長は約196センチ、シート幅は約52センチで、マッサージ機能付き。寝具はスウェーデンの老舗ベッドメーカーであるHästens社の製品を採用するなど、サービスレベルが高いことも特徴です。もちろん、機内Wi-Fiの利用も可能です。
日本就航65周年という、いささか中途半端な時期であるにもかかわらず、この価格設定は革命的ともいえます。今後、このセールが他社にも影響を与えるのかどうか、動向に注目したいところです。
ちなみにセールの対象となるのは成田発が2016年5月1日〜6月1日、10月1日〜2017年3月26日まで。期間は長いものの、気候がよい夏の時期は対象外です。この時期はスカンジナビア航空にとって書き入れ時期なので仕方がないのですが。このキャンペーンは北欧の7都市のみが対象ですが、たとえばコペンハーゲンは格安航空会社（LCC）が欧州各都市へ就航しており、たとえばコペンハーゲン〜ロンドン往復はわずか4,000円あまりでカバーできます。ですので、北欧以外の旅行にも十分利用できるといえるでしょう。ただし、現地で3泊以上という条件なので、超短期で旅行したい人が利用するのは難しいといえます。
このセール対象運賃の予約クラスはZクラスというビジネスクラスでも下の予約クラスなので、早めに売り切れたり、希望する日に残席がすでにないことが想定されます。旅行を計画されているのであれば、一刻も早く予約を検討しましょう。なお、Zクラスはユナイテッド航空の「マイレージプラス」なら150％、全日空（ANA）の「ANAマイレージクラブ」なら125％のマイル積算率です。
例えば、成田からヘルシンキまで、100％の積算率であれば往復で11,966マイルですので、「マイレージプラス」に積算した場合、ボーナスマイルも含めて、トータル17,949マイルが積算されます。「マイレージプラス」なら、ANA国内線の片道特典航空券が5,000マイル（一部の長距離路線を除く）で発券できますから、165,000円で北欧までビジネスクラスで1回往復すると、ANAで国内線に3回無料で乗ることができます。この国内線1回の価値を仮に10,000円と仮定すると欧州までの航空券代は135,000円相当に過ぎないということになります。
これだけ安いキャンペーンが今後も出る保証はまったくありません。この機会に北欧を旅してみるのもよいかもしれませんね。