ジェイテクトのグループ会社である光洋メタルテックは、全自動の鍛造プレスローリング工法により、AT車用多段変速機に使われる遊星ギヤリングを製造する鍛造ラインを確立した。

 ニアネットシェイプ(Near net shape)とは被加工材を最終形状にするための切削・研磨などの仕上げ作業をほとんど必要としない完成品に近い状態につくり上げること。従来の縦型熱間プレス工法では実現できなかった複雑な形状の製造が可能になった。




 国内外において多段AT車の需要が年々高まっているが、需要の高まりに反して、その材料となる鋼材が年々不足している。光洋メタルテックでは、長年培った軸受製造技術を生かし、自動車変速機用遊星ギヤリング用軸受の製造ラインの見直しを図り、プレスローリング工法によるニアネットシェイプを確立したことで、素材である鋼材の投入重量の削減を実現した。また、この工法により、機械加工のサイクルタイムを従来の10%削減(同社比)できることも実証している。

【密閉式プレスローリング工法の特長】


1.省エネ


小動力熱間プレス機で小さな荒地を成形し、自社開発のローリング機で大きく圧延/形状化する。


2.工程設計の見直し


素材の投入重量は増やさずに、ローリング前のプレス荒地品の端面を形状化し、ローリング完了後の端面欠肉の問題を解決。


3.内径深溝加工の拡大


内径角度をよりネットシェイプした深溝形状品を実現。
鍛造品の断面を示す。赤は完成品形状、灰色は鍛造品形状。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 ジェイテクト:密閉式熱間鍛造プレスローリング工法によるニアネットシェイプを確立