ボディからタンクを外して燃料コック周辺を確認する。でも外から見ただけで原因特定は難しい。ということで早速コックを分解した。写真を見ればわかるようにコックレバーはスナップピンで刺さっているだけ。その根本の部品がコックになっていて、2本のボルトを緩めれば外すことが可能だ。
コック部品を外すと内部を見ることができる。3つの穴が空いていて左右がそれぞれONとリザーブの通路。そこを手前のコック部品内側に空いている楕円の穴が重なることでガソリンが流れる仕組みだ。ガソリンが漏れたのはタンクをボディへ入れようとしてグリグリとするうち、コックレバーをボディ内壁へ何度も擦り当ててしまい、押されたことで内部の黒いゴムパッキンが痛んでしまったのだろう。
そこで写真に写る赤い新品のゴムパッキンを用意した。ちなみにパッキンのお値段は120円。これで治れば安いもの。部品を入れ替えてガソリンが漏れないかテストしてみようと考えたのだ。
ゴムパッキンを入れ替えたら上からコック部品を押さえるよう、リングを2本のボルトで締め込む。このリングはボルト穴の部分が折れ曲がるような形状になっていて、ボルトを締めるとスプリングの役割を果たす。つまり最後までボルトを締めてはいけない。最後まで締めるとコックが動かなくなるほど硬くなってしまうのだ。といってもこのままでコックの動きが適当かどうか判断できない。コック部品を手で回そうと思っても、うまく力が伝わらないのだ。
そこでテスト的にコックレバーを取り付けてコックの動きがスムーズか確かめよう。適当なところでボルトを締めることをやめて、タンクを正常な状態にしたら、ガソリンを入れて漏れがないかテストする。ひとまず漏れは直ったのだが、コック部品の位置が正しくない。レバーをC(クローズ、つまりOFF)の位置にするとガソリンが流れ出し、逆にR(リザーブ)にするとガソリンが止まる。う〜む、部品をつける向きを間違えたようだ。
ということでガソリンを抜いてからコック部品を付け替えて、ここまでと同じ工程を繰り返すことになってしまった。なんだか呪われているような気がしてきたが、無事に正しい位置で組み終えることができた。
燃料タンクの取り付けはつい先日やったばかりなので、要領がわかっている。今回は手早く済ませることができた。ただ、コックレバーをボディの穴へ通すのは、やはり難関。そこで事前にコックレバーへ配線を結いておき、ボディの穴に通しておくことにした。この状態からタンクを沈めつつ配線をボディの外へ引っ張るとコックレバーの頭が穴の位置へ近づくというわけ。
これで燃料タンクの装着は完了。この後、またしても燃料を入れてエンジンの始動テストと同時に、燃料漏れがないか再確認しておいた。今回は大丈夫だったので、コックレバーへゴムを取り付けて完了にする。ちなみに今回はマフラーから黒い煙は出なかった。マフラーの清掃は先送りにして、このまま作業を続けよう。
前回の記事中写真にも写っていたのでお気づきかもしれないが、フロア中央のゴムマット取り付けを紹介しよう。この部分はゴムとボディの間に接着剤を使って貼り付けられていた。純正と同じように仕上げてもいいのだが、今回は簡易的に左右2本のモールだけで固定する。なぜなら、いずれゴムマットが破れると思われるくらい痛みがあったから。今回は予算をケチッて再利用するのだ。
外しておいた2本のモールはビス穴を中心としてサビが出ている。そこでまずスコッチブライトを小さくカットして、穴の周囲からサビを落としてみた。するとモールは鉄製ではなくステンレスと判明した。サビはボルトから発生したものが表面に付着していただけだったので、意外とラクに落とすことができた。サビを落としたら全体をピカールで磨いて終了だ。
外しておいたゴムマットを水洗いしてから保護艶出しケミカルを薄く塗布しておいた。これをモールで左右から固定するだけだ。ちなみにボルトは新品を用意しておいたので、サビが出てくるまでしばらくの猶予があるはずだ。
エンジン始動テストをしたと書いたが、この時代のP125Xにはセルスターターが装備されていない。始動するにはキックをするしかないわけで、当然キックレバー先端についているゴムがすり減る。元からついていたゴムはすでに亀裂が多数あり、レバーから脱落する寸前といった状況だった。ところがこのゴム部品、同じ柄が少なく、しばらく買うのを控えていた。今回コック系の部品を注文するため確認すると、純正と同じ柄が再入荷していたので同時に購入した。
痛んだゴムを外すのはカンタンだが、新品ゴムを入れるのは結構大変。というか力仕事になる。普段はゴム手袋をして作業するのだが、それだとうまく力が入らない。手が汚れるのを覚悟して素手で押し込むと比較的スムーズに入ってくれた。
キックレバーがキレイになるとエンジンを始動して走行テストをしたくなるが、その前にミッションオイルを交換しておこう。いつ交換されたのか判明しないので、こうした部分は事前に着手しておけば安心できるもの。
エンジン下にあるボルトで頭に「OLIO」と書かれているものがある。これがオイル交換用のドレンボルトなので、これを緩める。するとミッションオイルが流れ出すので、下に受け皿を置いて廃油を溜めよう。ちなみにこのドレンボルト、純正だとベークライトのような素材でできたパッキンを使っているが、入手経路が非常に特殊で通常は売っていない。だからだろう、なんと鉄のワッシャーが2枚重ねて使われていた。トホホである…。
古いオイルを抜くには下のドレンボルトだけでなく、オイルを差し入れる上側のボルトも外す。上のボルトが締まったままだと流れが悪くオイルが抜けきらないからだ。オイルが抜けきったら下側のドレンボルトを締め込み、新しいオイルを入れてあげよう。ミッションオイルを入れる穴は写真のオイル差しを刺しているところで作業性が非常に悪い。また、どれくらい入るのか不明なので、容器いっぱいのオイルを入れてオイル差しを抜く。ここで穴からオイルが垂れてくるまで入れてあげるといい。
ようやく走行テストをする準備が整った。張り切ってエンジンをかけ1速に入れてクラッチを繋ぐと、ユルユルと前進しただけでエンスト。ゲゲゲ、シフトパターンが上下逆になっている! シフトワイヤーを組み間違えたようだ…。またやり直しになってしまった。この連載、いつになったら終わるのだろう。