1.低速走行時の軽いステアリング:重量物輸送時でも軽い力で操舵でき、疲労を大きく軽減
2.高速走行時の直進安定性:スピードに応じて、ステアリングを適度な重さになるよう制御することで、直進走行時にドライバーの緊張感を軽減
3.不整路走行時の路面状況の影響低減:路面の凹凸から受ける影響を自動補正し、振動や意図しないステアリングの動きを軽減
4.横風発生時の走行補正:横風の影響によるタイヤの微細な動きを素早く感知し、自動補正で直進走行をサポート
5.後退・右左折時の自然なハンドル戻り:後退時や交差点の旋回時にステアリングは自動でニュートラル位置に戻る
UDトラックスは今回、電子制御によるステアリングでどれだけ疲労軽減を図れるかについて、独自の実証実験※2を行った。実験では、脳波計測器を使い、運転時のストレスや運転に必要な集中力を調査。また、筋電計を使って運転時の筋活動量を、UDアクティブステアリング搭載・非搭載車で比較した。
その結果、搭載車のほうが、運転時のストレスが低く、また過度な集中力を必要とせずに操作できることがわかった【図1、図2】。
次に、運転時の筋活動量については、主にハンドルを操作する際に必要な伸筋と、ハンドルを握る際に使う屈筋でそれぞれ計測を行った結果、伸筋に関してはUDアクティブステアリングを搭載することで、筋活動量が低くなる傾向が見られ、より楽な腕の力で操作を行なっていることが伺える結果となった【図3】。特に駐車時や、凹凸路など路面状況が悪い場合、UDアクティブステアリング搭載車両の方が、より筋力を使わずにハンドル操作が可能になると考えられる【図4、図5】。
一方で、屈筋は伸筋に比べ大きな差が出ていないことから、ステアリングが軽くなることで強くハンドルを握ることなく、UDアクティブステアリング搭載後も運転時に余計な負荷はかからないことが考えられる。
被験者に事後アンケートを行ったところ「搭載車の方が低速の取り回しがしやすく感じた」「搭載車のほうが、 長距離走行に向いている」「非搭載車は車庫入れなど低速時の操舵力がUDアクティブステアリング車に比べかなり重い。こんなに差があるとは思わなかった」など、運転時のステアリングの変化が実感できるほど違いがあることも伺えた。
※1 UDアクティブステアリングはCG後軸エアサス WB7,520mm車、GK WB3,200mm車にオプション設定
※2 今回の実験はUDトラックスが協力会社を得て独自に実施した。被験者は5名、実験コースは、低速時の取り回し、悪路、高速時の直線走行性など、実際の走行環境に近い設定をしたコースで、搭載車・非搭載車に、それぞれ約4周ずつ時間搭乗して行った。なお、結果が製品の機能を保証するものではない。