REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
※写真はすべて欧州仕様車
2018年に登場したスーパーカブC125は、前後に高級感の高い17インチのアルミキャストホイール、フロントにディスクブレーキを装備した豪華なモデル。タイを始めとしたアセアン諸国やヨーロッパはもちろん、国内でも便利な原付二種モデルとして人気の高い1台だ。
今回ヨーロッパで発表された新型(2022年モデル)のスーパーカブC125は、2021年4月にタイで発表された新型モデル(2022年モデル)と同型。ヨーロッパの排ガス規制「ユーロ5」に適合した空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ124ccエンジンは、新型グロムにも搭載された新設計のもの。同日に発表された新型モンキー125も、同じエンジンを採用している。
ボア径×ストローク長は、「現行モデル:Φ52.4x57.9mm」から「新型:Φ50.0mm×63.1mm」に変更し、ロングストローク率をアップ。圧縮比は「現行モデル:9.3」から「新型:10.0」に引き上げ。
新型のグロムやモンキー125のミッションは、4速から5速に変更。一方、新型のスーパーカブC125は、現行モデルと同じ4速を採用。クラッチは左レバーの操作を省いた、スーパーカブ伝統の自動遠心式としている。
スペック上、最高出力は「現行モデル:9.7ps(7.1kW)/7500rpm」から、「新型:9.78ps(7.2kW)/7500rpm」に0.08psパワーアップ。最大トルクは「現行モデル:10.4N・m/5000rpm」から「新型:10.4N・m/6250rpm」とし、MAXトルク発生時の回転数を1250rpm上昇させている。
NEWエンジンに合わせてデザイン変更されたエアクリーナーボックス、インジェクターの位置を見直した吸気システムなどにより、新型のスーパーカブC125は燃焼効率を向上。実走行に近い「WMTCモード」で66.7km/Lを記録するという、低燃費性能を実現した。
新型はACGの発電容量をアップ。また、燃焼効率の向上にともない、キャタライザーは従来の2個から1個に変更。環境性能向上のため、ECUのマッピングもアップデート済みだ。
新型のフレームは、NEWエンジンに合わせ、剛性バランスなどを見直し。また、前後のサスペンションは、快適性アップを目指してスプリングを変更。
Φ220mmディスクローター+2ポットキャリパーを組み合わせたフロントディスクブレーキは、現行モデルと同じく、シングルチャンネルABSを組み合わせ。
スマートキーには、ボタンを押すだけでウインカーが点滅し、駐車場などで車両を簡単に見つけることができる「アンサーバック機能」を新たに導入。ヘッドライトなどの灯火類は、LEDで統一されている。
新型スーパーカブC125の国内での発売時期は、コロナ禍などの影響(工場の稼働停止、部品調達の遅れなど)により、現在のところ未定。新型モンキー125同様、発表となり次第、随時レポートします!
全長×全幅×全高:1915mm×720mm×1000mm
最低地上高:125mm
軸距:1245mm
シート高:780mm
車重:110kg
エンジン:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ
排気量:124cc
ボア×ストローク:ボア径×ストローク長:Φ50.0mm × 63.1mm
圧縮比:10.0:1
最高出力:9.79ps/7500rpm
最大トルク:1.06kg-m/6250rpm
変速機:4段
燃料タンク容量:3.7L
キャスター角 / トレール:26.5° / 71mm
ブレーキ:前Φ220mmディスク+2ポットキャリパー 後Φ110mmドラム
タイヤサイズ:前70/90-17 後80/90-17