本実証プロジェクトでは、2030年頃のCCUSの社会実装に向け、年間100万トン規模のCO2の供給地点から利用・貯留地点への⻑距離・大量輸送と低コスト化に繋がる輸送技術の研究開発を行うとともに、実証試験及び関連調査を通じ、液化CO2の船舶輸送技術の確立を目指す。
(1)液化CO2の船舶輸送技術を確立するための研究開発(JCCS、ENAA)
CO2大量輸送実現の鍵となる、液化CO2を貯蔵・輸送するための技術確立を目指す。特に、液化CO2のドライアイス化の制御を含む安全性の確保が研究開発上の重要課題となる。また、船舶の基本設計、国際的なルール形成への参画など、液化CO2船舶輸送の社会実装に向けた準備も進める。
(2)年間1万トン規模のCO2船舶輸送の実証試験(JCCS、ENAA)
(1)を通じ整理された技術課題を実証試験で確認するため、液化CO2を1千トン程度輸送できる実証船を手配し、年間10航海程度運航する。また、実証試験用の陸上設備として、出荷基地は舞鶴(関⻄電力株式会社発電所敷地内)に、受入基地は苫小牧にそれぞれ設営を予定している。
(3)CCUSを目的とした船舶輸送の事業性調査(伊藤忠商事、日本製鉄)
CO2回収・輸送事業の実現に向けて、製鉄業を含む国内の様々な多量排出源からのCO2輸送に係るビジネスモデルの検討を実施する。
なお、特定の課題については再委託先と共に研究開発を行う。
※ 再委託先:商船三井、川崎汽船、日本ガスライン、 お茶の水女子大学、その他 1 社
※ CCUSは、Carbon dioxide Capture, Utilization and Storageの略で、CO2を資源として有効利用したり、地下へ貯留したりすることでCO2排出量の削減にも寄与することができる技術。