余談だが筆者は過去に歴代スカイラインの専門店である「プリンスガレージかとり」の協力を得て、この台数を検証してみたことがある。市販されたケンメリGT-Rは車台番号が判明しており、KPGC110-000051から000245までの195台。カタログ撮影用として日産が保管してある2台を含め197台なのだが、ほかにも000011や000023、さらに000018と000021、さらには『旧車人』という本で取材したケンメリGT-Rはメーカー自ら車台番号を打ち替えて市販した事実を確認している。
入手当初はレース用部品だったマグネシウムホイールにワイドタイヤを履かせていた。ただレース用とはいえ14インチサイズだから今となっては小径だし、スポーティなタイヤが選べなくなってきた。
そこで試しにノーマルのスチールホイールに175/70R14タイヤを履かせてみた。これが大正解でケンメリGT-Rにはパワーステアリングが装備されていない。ワイドタイヤ時代は非常に重かったステアリング操作が劇的に軽くなり、運転がとてもラクになったという。それに今見るとオーバーフェンダーの奥に引っ込んだスチールホイールは逆に新鮮で、古いクルマらしい風情があると思えないだろうか。