尾花沢市は、山形県の最北東に位置し、奥羽山脈や出羽丘陵などの山々に囲まれた美しい自然環境を有しており、日本有数の豪雪地としても有名だ。そして、雪がもたらす豊かな水と尾花沢特有の寒暖の激しい気候で、雪、スイカ、花笠のまちとしても知られており、美しい環境を守るための環境対策を推進。また、東日本大震災の教訓を踏まえ、「尾花沢市国土強靭化地域計画」を策定し、防災対策の強化に向けて積極的に取り組んでいる。
一方、日産自動車は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を発表し、その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力して、電気自動車普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいる。また「ブルー・スイッチ」活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化などの地域課題の解決に取り組み、SDGsの達成に貢献している。
この日産自動車が推進する「ブルー・スイッチ活動」、そして、尾花沢市が推進する環境・防災対策への取り組みと、双方の取り組みに互いが賛同し、このたび同協定の締結を行う運びとなった。電気自動車を活用した「災害連携協定」の概要は以下のとおり。
【協定の概要】
・尾花沢市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所に、山形日産自動車および日産プリンス山形販売の店舗に配備している電気自動車「日産リーフ」を無償で貸与する。
・尾花沢市、日産自動車、山形日産自動車、日産プリンス山形販売の協力により電気自動車からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命および身体の安全を守る。
・尾花沢市および日産自動車、山形日産自動車、日産プリンス山形販売は、平常時も電気自動車の普及促進を行うほか、市のイベントで使用する電力を電気自動車から供給することで、『電気自動車は「走る蓄電池」』としての活用を市民へ積極的にアピールし、環境・防災意識向上を目指す。
尾花沢市では、電気自動車(EV)の電力を建物の電力として活用できるV2H(Vehicle to Home)を道の駅「尾花沢」に設置し、災害時に避難所となる道の駅での電力を確保する体制を整備するなど、EV普及と電力確保に向け取り組んでいる。そして今後もさらなる EV普及・促進のための取り組みを推進し、防災力向上に努めていく。
日産自動車は、人々の生活を豊かに、を目的に「ニッサン インテリジェント モビリティ」を推進し、独自性にあふれ、革新的なクルマやサービスを届けるとともに、「ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)」「ゼロ・フェイタリティ(交通事故による死亡・重傷者数ゼロ)」に取り組んでいる。また、政府の推進する「2050年までに、温室効果ガスの排出をゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に寄与すべく、2030年代早期より、主要市場で投入する新型車をすべて電気自動車などの電動車両とすることを目指し、電動化と生産技術革新を推進しながら、新たな目標に向けて取り組んでいる。そして「ブルー・スイッチ」の推進に加え、電気自動車というクルマの販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のために、EVの生み出す新たな価値を世界に発信し続け、よりよい社会づくりへの貢献を目指す。
今回の「災害連携協定」も、日産の「ブルー・スイッチ」活動に基づくものであり、日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては、今回の締結が全国で87件目となる。また、EVを活用したエネルギーマネジメントや観光などを含む「ブルー・スイッチ」活動としては116件目の取り組みだ。
尾花沢市と日産自動車はこの協定締結を機に、今後も環境および防災対策を強化し、電気自動車を活用した環境に優しく災害に強いまちづくりを推進していく。そして電気自動車の普及を通じた地域課題の解決に向けて、さらに連携を強化していく方針だ。