TEXT●竹岡圭(TAKEOKA Kei)
以前某雑誌の企画で、このクルマと共に日本一周の旅に出かけたことがあるのですが、なんだか存在だけで楽しくなっちゃうんですよね。こんなカタチで屋根が開くっていうだけで、なんとなく楽しい不思議なクルマでした。キャンピングカーではないのだけれど、なんとなくキャンピングカーでお出かけしてるようなハイテンションな感じがあるんですよね。
もちろん車中泊とか考えるならば、フルサイズのカングーの方がスペース的に有利に決まってるんですけどね。というのも、このクルマを説明するには簡単に言っちゃうと、ショートホイールベースのカングーというのがいちばんわかりやすいと思うから。
でもね、実は母国ではこちらをベースに郵便車が作られているらしく、非常にしっかり造られていて、走りやすさに驚かされました。移動中にバケツをひっくり返したような大雨に見舞われたこともあったのですが、ちゃんと真っすぐ安定して走る様に、やっぱり働くクルマは違うなぁ~と、感心させられたものです。
あ~、日本一周また行きたいなぁ~。
言葉は悪いですが、畏れ多くも言ってしまいますと、SUVのコンバーチブルって、サイコーにオバカッぽくて、めっちゃくちゃ楽しいんですよ♪ なんだかね、乗ってるだけで気分はカリフォルニアになれちゃうんです(笑)。同じ阿呆なら踊らにゃソンソン~♪的な感じで、弾けてオッケー!と約束されたようなもの。
普段はオープンカーの屋根を開けるのさえ、ソロリソロリ~的な日本人的感覚を強くお持ちの方でも、なんだかこう一線を超えちゃった感じになれるクルマだと思うんですよね。仲間とワイワイ騒ぎながら走れるサイコーのクルマだし、そんなシーンがまた似合うんです。言うまでもなく、もちろん世間様にご迷惑を掛けない範囲ではありますが、もうすべてが許されそうな感じ。
でもそんなイメージを裏切るかのように、このクルマはとってもしっかりしてるんですよ(笑)。さすがは天下のランドローバー。しかもイヴォークはレンジローバーの系統ですから、インテリアの質も走りの質も高いんですよね。こんなに屋根開いちゃってるのに、ボディしっかりしてるんだよなぁ~と、思わず唸りたくなるようなガッチリ感で、ドライブをきっちり味わうことができます。
すべての質が高いから、安っぽいとか下衆っぽいとか下品な感じにならず、上品におバカっぽさを愉しめるサイコーの1台です。
開けても閉めてもシースルー♪ なんとなく透け感のあるクルマなんですよね(笑)。オープンカーって、ルーフを閉めたらすっかりクローズドボディ的な感じで、ひと粒で二度美味しい的な雰囲気になると思うんですけれど、このクルマの場合は、開けても閉めてもスケスケなわけです(笑)。
クルマの中って、なんとなく囲まれ感というか、守られ感というか、プライバシーが守られている空間っていう感じあるじゃないですか。仮にこれがオープンカーだったとしても、ルーフさえ閉めてしまえばお部屋のドアを閉めたのと同じような感覚で、安全圏内に入ったゾ!という安心感みたいなものですね。
それがこのクルマの場合、ルーフを閉めたところで丸見え! 屋根を閉めたところで、トラックみたいな背の高いクルマからだと、上から見透かされちゃう感じなわけですよ。私がいちばんそれを感じたのが、バスと信号待ちで並んだ時。上から子供が見てるんですよねぇ。確かCMにもそんなシーンがあったと思うんですけど、まさにコレだわ!って思いました。
でもそれを逆手に取ると、これまた楽しいわけですよ。子供に手なんか振っちゃったりしてね。また景色の新しい楽しみ方も満喫できます。特に星空とか、雨の日とか、ガラス越しに見上げるのってなんとも楽しいんですよね。きっとフィンランドにある、ガラスのルーフのお部屋からオーロラ見上げられるホテルって、こんな感じなんだろうなぁ~。あ~、いつか行ってみたいんだよなぁ~っていう具合に、妄想を掻き立てられるクルマです。
『運転が楽しいクルマ・ベスト3』は毎日更新です!
クルマ好きにとって、クルマ選びの際に大きな基準となるのは、
「運転が楽しいかどうか」ではないでしょうか。
とはいえ、何をもって運転が楽しいと思うかは、人それぞれ。「とにかく速い」「速くないけど、エンジンが気持ち良い」「足周りが絶品」などなど、運転を楽しく感じさせる要素は様々です。
本企画では、自動車評論家・業界関係者の方々に、これまで試乗したクルマの中から「運転が楽しかった!」と思うクルマのベスト3を挙げてもらいます。
どんなクルマが楽しかったか。なぜ楽しいと感じたのか。それぞれの見解をご堪能ください。
明日の更新もお楽しみに!