一方、帝人は、国連が提唱する「国連グローバル・コンパクト」やSDGsに賛同しており、昨年2 月に発表した中期経営計画2020-2022「ALWAYS EVOLVING」においては、「環境価値ソリューション」の提供や環境負荷低減に関する長期目標を掲げ、事業や諸活動を展開している。こうした中で同社は、水素燃料電池の利用を普及させることで持続可能な社会の実現に貢献できると考え、IE社と日本における水素燃料電池の販売契約を締結した。
このたび販売を開始する水素燃料電池は、IE社が開発した出力が3種類(1.2kW、2.5kW、4.0kW)のもの。1台あたりの重量が10~20kgと軽量でコンパクトなため、さまざまな用途で発電装置に組み込むことが可能。また、ディーゼルエンジンに比べて静粛性能に優れ、メンテナンスがほとんど必要ないことから運用しやすく、さらに廃棄物が発生しないため土壌汚染の問題がない。
帝人は既にこの水素燃料電池の採用に向けて実証実験を行っている日本フイルコンをはじめ、情報通信業や建設業、製造業などに向けた販売を進め、2030年度までに売上10億円の達成を目指す。