REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●株式会社 モータリスト合同会社
SYM・DRG BT.......449.900円
台湾本国では、22機種ものバリエーションを展開するSYM。150~250cc以下のカテゴリーには全4機種がラインナップされる中、見るからに先鋭的なスポーツスクーターとしてポジショニングされているのがこのDRG BTである。
そのスタイリングは、まるでアニメの中から登場したかの様に斬新かつ個性的。若いライダーがカスタムする上で良いお手本になる様なシャキッと輝かしい印象がある。
全体的にシャープでエッジの効いたラインが目立ち、リヤエンドをシュッと尖らせてフィニッシュ。セパレートされた鋭い目つきのフロントマスクや、バイクの様な黒いパイプバー式アップハンドルの採用も意外性がある。
リヤフェンダーをアンダータイプとし、ナンバーとウインカーはフェンダーマウント。やはり左右にセパレートされたデザインのテールランプはシートカウルエンドにセット。
ユニットスイング方式は後輪を左の片側から支持するタイプ。モノショックは思い切り前傾して前方にマウント。シートカウルの下側とリヤフェンダー間にスッキリと素通しの空間を空けたデザインも新鮮。漂う雰囲気はどこか未来的である。
それでいてステップスルーのフラットフロアを持つ標準的なスクータースタイルに融合させている点がとても個性的であり、ひときわ目立つ存在と言えよう。
同社の公式サイトを覗くと、DRG BTの車名と共に「不耐凡」の文字。翻訳アプリで直訳すると「せっかち」と出た。メーカーが期待する思惑通りの、正しい翻訳かどうかはわからないが、ニュアンスは伝わってくる。
日本語のカタカナ語で分かりやすく例えると「スプリンター」的な意味合いであることは間違いないだろう。
実際その開発コンセプトはスポーツライディングを意識したもので、前後輪の荷重配分は50対50にしてあり、マスの集中化も徹底。エンジンやリヤショックは後輪の前方に集中させ、燃料タンクはフロア下に配置。それらのトータルでピッチングを抑え、快適な乗り心地を追求してると言う。
また驚くべきは、42度もの深いバンク角が確保されている。タンクが納められた関係でフロア下には厚みがあり、フロアの地上高は高めだがカウル下部はスッキリと細くシェイプされたデザインで処理されている。
搭載された新世代エンジンは水冷SOHCの158cc単気筒。本国資料によると最高出力は「15.5馬力」を発揮。フリクションロスの低減が徹底され、アイドリングストップも標準装備。始動にはACGスターターが活用されており、赤信号停止後の発進でも速やかにかつ静かに再始動されると言う。
前後ホイールは13インチサイズを装着。ブレーキは前後共にディスクブレーキが装備され、いずれにもBOSCH製のABSが採用されている。
身のこなしは軽快。確かに走りっぷりはスピーディ
足つき性チェック(身長168cm)
ディテール解説
⬛️主要諸元⬛️
型番:TB16W1-EU
全長:1990mm
全幅:735mm
全高:1130mm
ホイールベース:1380mm
車両重量:135kg
エンジン型式:水冷4ストローク、4バルブ、単気筒
排気量:158cc
燃料供給システム:EFI
変速機形式:C.V.T
タイヤサイズ(前/後):120/70-13 / 130/70-13
ブレーキ形式(前/後):ディスク+ABS / ディスク+ABS
燃料タンク容量:7.4L
最大出力:10.92kw/8500rpm
最大トルク:15.44Nm/5500rpm
燃料消費率:50.0km/L
生産国:台湾
⚫️試乗後の一言!