そのブランドのファンや関係者ならずとも、そう憤慨したくなるような日本未導入モデルは、グローバル化がこれだけ進んだ今なお、数え切れないほど存在する。
そんな、日本市場でも売れるorクルマ好きに喜ばれそうなのになぜか日本では正規販売されていないクルマの魅力を紹介し、メーカーに日本導入のラブコールを送る当企画。今回は、トヨタが北米などで展開するFFミドルラージセダン「アバロン」を紹介したい。
TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●トヨタ自動車
五代目アバロンは現行モデルの十代目カムリおよび七代目レクサスESと同じくTNGA-Kプラットフォームを採用しているが、北米仕様の2.5L直4ハイブリッド車同士でサイズを比較すると、アバロンはESのトヨタ版と言えるほどボディサイズが酷似している。しかし後席の居住性を比較すると、
これだけでもアバロンの優位性は際立っているが、ラインアップの豊富さではカムリにも引けを取らない。パワートレーンは2.5L直4+ハイブリッドのFF車に加え、2.5L直4+8速ATの4WD車、3.5L V6+8速ATのFF車も設定。このうち3.5L V6モデルには電子制御ダンパーを採用するスポーティな「ツーリング」、さらには専用の内外装とローダウンサスペンションを組み合わせた「TRD」グレードも用意されているので、動力性能やハンドリングにこだわりたい人にもオススメできる。
そんなアバロンの価格帯は3万5875~4万3300ドル(約369~445万円)と、カムリの2万4970~3万5545ドル(約257~366万円)より圧倒的に高いものの、ほぼ同サイズであるESの4万~5万910ドル(411~524万円)よりは安く設定されている。そして後席の居住性は3車中No.1だ。
SUV全盛の昨今、凋落の一途を辿るセダンは多くがスポーティな4ドアクーペへと変貌を遂げている。だがそれらの中に、大柄な男性でも満足できる後席の居住性を備えたモデルは皆無に等しい。だからこそいま、日本にも再びアバロンを!
■トヨタ・アバロンハイブリッド・リミテッド *北米仕様
全長×全幅×全高:4976×1849×1435mm
ホイールベース:2870mm
車両重量:1676kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC
総排気量:2487cc
エンジン最高出力:131kW(178ps)/5700rpm
エンジン最大トルク:184Nm/3600-5200rpm
モーター最高出力:88kW(120ps)
サスペンション形式 前/後:ストラット/マルチリンク
ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ 前後:P235/45R18
乗車定員:5名
車両価格:4万3300ドル(約445万円)