ワクワクしたり、落ち込んだり、かと思えば気が大きくなったり……の、35(クルマ)購入への道程、ぜひ一緒に楽しんでください。
TEXT&PHOTO:生江凪子(Naco NAMAE)
PHOTO:Motor-Fan.jp / Special thanks:NISSAN
冒頭から99パーセントの読者の皆さまに該当しないこと、そして記事本文ではないことでとても心苦しいのですが、皆さまによりお楽しみいただくために、こちらでSNSのコメントに関してのお願いをさせてください。
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どのようなメッセージもコメントも読者の皆さまからのファンレターだと思っているのでウエルカム! 一呼吸おいても罵詈雑言を書き込みたかったら、こちらが唸るくらいの美しい言葉で!
それでは【女性編集者、R35を……買う?! 】はじまりはじまり~。
日産 GT-R R35が好きな、興味がある皆さま、メリークリスマス。【女性編集者、R35を……買う?! 】Vol.12は期せずしてクリスマス更新となりました。せっかくなら「クリスマスプレゼントにR35が届きました♡(買っちゃった♡)」くらいかましたかったのですが、いまだ借りぐらしで進行中です。
さて今回は、R35のトランクについて。美しいリヤデザインはどう成り立っているのかを考察しつつ、トランクの使い勝手を大真面目に検証します(そんなに仰々しい話ではありませんが)。
「リヤから見たR35が好きです。もちろん全方向好きですが、とくにリヤからが好きです」
この意見に同意してくださるR35ファンのかたは、きっと多いと思います。
では、R35の美しいリヤデザインはどう成り立っているのか。
デザインといえば、ナコの師匠のこのお方。東京都立大学/システムデザイン学部 インダストリアルアート学科 難波治教授に聞いてみよう! と早速電話。
ナコ:教授、この美しいリヤデザインは、このえぐれていないトランクの蓋の形も大いに関係しているのでしょうか。否、このテールランプ形状を維持するためのデザインとして、蓋型になっているのでしょうか。最近の主流とは違う気がするのですが……。
教授:ナコや、キミは何年ボクの側でデザイン講釈を聞いているの? えぐれって……まったく。「トランクリッドのオープニング形状」と言いなさい。
ナコ:そうそう、オープニング形状。そう言いたかったの。
教授:……。まぁ、順を追って話を進めますよ。クルマにはどうしてもライセンスプレートを取りつけねばなりませんね。わかりますか。それをバンパーの上にするか、下にするかでリヤ周りのデザインが変わります。バンパーの下側にライセンスプレートがついているクルマもありますので、ボクにとってはどちらが主流という観念はありません。
ナコ:そこは掘り下げなくていいのですが、長くなりますか?
教授:相変わらずキミはセッカチだねぇ。まぁ、それは置いておいて。それではなぜ上か下かとなるのかというと、表面から見えないところにバンパービームってのがあり、それはビシッと一本通っているので、どうしてもビームをよけると上か下になるわけですな。
ナコ:ふむふむ。
教授:ではなぜGT-Rはそうなってないか! ということになるわけです。まず、ボクが先に説明したモノはどちらかというとフツーの乗用車の手法で、いろんな制約や観点から考えて最適な処置をしているのです。ところがGT-Rはそんな一般的な乗用車に見えてはイカンのです!
教授の熱語りは続く。
教授:GT-Rはスポーツカーとしての佇まいが必要ですからいかにもフツーのクルマのような、リヤスカートの上にリヤバンパーがありまして、その上にトランクリッドがございまして……なんていう重ね餅スタイルは採りたくなかったのでしょうね。ですからかなり工夫をして、内部の骨格を固めたりして、本来ならばバンパービームが表面に近いところを通るのを少し奥まらせていたり、内部の緩衝材の断面を工夫したりしているのだと思いますよ。リヤ周り全体を一体に見せるスタイルを採りたかったのでこのような形になっているのですね。ここは全体をウレタン系の樹脂で一体に作っていると思います。
ナコ:え~っとね教授、まだ続く? 私が聞いているのはね……。
教授:急ぐでないっ。そこでナコの質問の「トランクリッドのオープニング形状」についてになるのだよ。これについてもGT-Rは従来どおりの見えかたにはしない! という強い思いがあります。多少荷物が積みにくいとしても誰も文句を言わないでしょうから、利便性の優先度を高める必要もないわけですね。
ナコ:確かに、別に文句はまったくない。むしろこの古典的な感じが好きだったりします。
教授:ですからナコが言うように、デザイン優先ではあるのですが、「テールランプのため」とだけは言い切れないけど、おかげでテールランプは綺麗に造形されてますよね。理解できましたか?
ナコ:……多分、できていると思われます。ありがとうございました。
なるほど。GT-Rはスーパースポーツカーであるからして、利便性はある意味二の次。911とか、ちいこいもんね! ではトランク容量もそんなにないのでは……と思いがちですが、いえいえ。ナニをおっしゃる。
ここがGT-Rのスゴいところで、トランク容量、犠牲になっておりません。私は嗜まないので試していないのですが、どうやらゴルフバッグが横に載るとか(しかも、ふたつ)。すごいです。
日産の公式HPには[トランクルームはふたりで旅行するのに充分な荷物を持って行けるだけの大きなスペースを確保している。ゴルフバッグなら2セット(形状によっては入らない場合もあります)、スーツケースでは特AサイズとCサイズをひとつずつ積み込める]と記載されている。
そんなわけで、今回はトランクリッドのデザインから容量まで、真剣に考えてみました。さぁ、着々と購入へ向けて考察が溜まってきましたね。次回は1回お休みをいただき、2021年お正月にお会いします。皆さま、良いお年を!
次回【女性編集者、R35を……買う?! Vol.13】「最終考察|R35は日常で使えるクルマか否か」へ続く(1月1日更新予定)
【編集者ナコ、R35を……買う?!】は、フィクションがちょっこし入ったノンフィクションの連載となります(回数、期間、それどころか金銭的・能力的に購入できるかどうかも未定)。クルマの運転に自信がなくても、GT-Rに乗れるのか? そもそもGT-Rって日常使いできるクルマなのか? などなど、GT-Rを購入するにあたってのさまざまなハードルを大真面目に考察した、まったくもって主観的な「R35との生活日記」となりますのでご了承ください。刑法大好きナコが参照する総務省が運営するサイト(e-Gov)はこちらから