意識高い系みたいな横文字連発はどうかご容赦を。とはいえ、読者諸氏ならいくつかはこれらの接頭語が示す内容はご存じかもしれない。
ACC:アダプティブ・クルーズ・コントロール
LDW:レーン・ディパーチャ・ワーニング
LKA:レーン・キープ・アシスト
AEB:オートマチック・エマージェンシー・ブレーキ
ESS:イベイジブ・ステアリング・サポート
いずれも、最近のクルマで実装されることの多い(ESSはまだ少数か)ADAS機能である。
たとえば個人的に便利だと思うACCは、ついこの間まで30km/hを下回るとピー!と鳴りシステムオフ、あとはご自分でよろしくというものが大半だったように記憶するが、このところの新型車では0km/h追従停車はもちろんのこと、「●秒以内に前走車が再発進したら自動的に発進します」なんて機能も付いている状況で、朝夕の通勤ラッシュで大渋滞に見舞われる身としてはとにかくありがたいの一言。しかしこれ、あらためて考えるとどうやって実現しているんだろう? このように考えると、ほかのADAS機能の仕組みも気になってきた。
というわけで、ADAS三種の神器であるレーダー/ソナー、カメラ、3Dスキャナーの仕組みと役目、それらを組み合わせて高機能としているパッケージについて、各社にお話をきいてみた。
ボッシュ:ADASパッケージ各種の仕組み
ヴァレオ:三種の神器それぞれの得手不得手
ボッシュでは、さまざま実現しているADASパッケージについて、組み合わせたセンサー類がどのように働きあい、アクチュエーションしているかをお聞きすることができた。「いらないかな……」と思う理由のひとつは装置やシステムの未熟さではなく、そのように仕立てようと考えた自動車メーカー/ブランドと、自身の考え方の違いということも判明。道理で相性の合う/合わないがクルマによってあるわけだ。
ヴァレオには試験中の自動運転車・Drive4Uの一般公道同乗体験の機会もいただけた。台場エリアで完全自動運転のクルマはどのように振る舞うのか、乗車中には不安はないのか、そもそもなぜきちんと自律走行できるのか。三種の神器に加えて高精度地図とITSを掛け合わせた盤石のシステムが答えのひとつである。
このほか、神奈川工科大学・井上教授にもインタビュー。「カメラは果たしてちゃんと働いているのか?」というショッキングなテーマを追究していらっしゃる内容について、詳しくご説明をいただいた。ちゃんと働いているかを確かめるためのシミュレーターはカメラを実環境と思い込ませるための周到な作り込み具合である。このほか、製品化されているADAS搭載車の実験結果と寸評など、「そうそう!そうですよね!」と思わされるご解説が多々あった。