レーダー・センサーは先進運転支援システム(ADAS)で広く使用されており、死角検出、衝突回避、自動ブレーキ、交通警報などの機能を提供する。またレーダー吸収体(RAM、Radar absorbent material)は、レーダー波の発信源を遮蔽するために使用され、ゴースト像、誤動作、警報を引き起こす原因となる側帯波を減衰する。レーダー吸収LNP STAT-KONコンパウンドの選択肢が広がったことで、製造業者はセンサーのポジショニングや機能の柔軟性を向上でき、車両サイズなど車両に応じて最適なセンサーを設計可能となる。
SABICのLNP製品マネージャーのJeff Xu氏は「レーダー・センサーは、LiDARやカメラ機能を損なう視界不良の状況であっても動作可能なため、ADASスイートにおける重要な構成要素です。近年レーダー・センサー市場は急成長しており、進化を続けるテクノロジーの支援に向けて、SABICはセンサーの精度と信頼性を増強できるスペシャリティー材料を継続的に開発しています。当社のLNPコンパウンドのポートフォリオは、レーダー波の高い吸収率を提供するとともに、軍用に設計された電波吸収体と比べて、コスト面での潜在的メリットがあります」と話している。
Grand View Research, Inc.によると、自動車レーダー市場は2025年までに121.6億USDに達し、年平均成長率(CAGR)は20.8%に達すると予測されている。こうした急拡大の背景には、自動車産業への投資拡大、車両販売台数の伸び、安全性の重視、レーダー技術の革新などがある。
新材料は、センサーの性能向上を通じて、この成長軌道に貢献している。SABICの新たなPBTベースのLNP STAT-KONコンパウンドは、77GHzで67%のRF吸収率を実現することで、自動車のADAS機能を高めることができる。SABICでは、レーダー・センサーの急速な進歩に伴い、新しい樹脂やより高いレーダー吸収特性を備えた材料をベースとした追加グレードを開発している。
SABICは、材料開発における幅広い専門知識を備え、自動車環境において、レーダー装置をどのように設計し、その装置の性能を発揮すべきかについて多くの経験がある。同社は、広範な周波数での革新的な誘電特性テストと測定、およびシミュレーションを実行できるモデリング・ツールの開発にも取り組んでおり、レーダー・センサー製造業者や自動車OEMによるシステム設計と統合の最適化をサポートしている。
SABICのすべてのレーダー吸収LNP STAT-KONコンパウンド製品ラインは、世界中で入手可能である。