TEXT●世良耕太(SERA Kota)
全長約5m×全幅約2m×全高約2mの巨体の持ち主で、車両重量は2.2トンを超える。中間グレードの110 SEの車両本体価格は732万円で、体積あたり、あるいは重量あたりで単価を弾き出したら、相当お買い得なのでは? と感じる。
豚肉や牛肉(鶏肉でもいいが)と違って100gいくらで評価する対象ではないが、ランドローバー・ディフェンダーのバリュー・フォー・マネーがすこぶる高いのは間違いない。エクステアリアもインテリアもモダンで質が高い。ラダーフレームシャシーからオールアルミ製モノコックに変更した効果か、動きもしっかりしている。そして、2.0L直4ターボエンジンは、大きく重たいディフェンダーを快活に走らせる。
この巨体を収めておけるガレージがあって、自宅周辺の道路も充分に広くて...という条件がそろっているなら、積極的に勧めたい1台だ。
高い(装備が充実したAdvanceの全国メーカー希望小売価格は495万円)し、電気自動車だし(充電設備が必要)、一充電走行距離が短い(WLTCモードで259km)ので買い手を選ぶが、所有欲を大いにくすぐるクルマである。
まず、小さくてかわいい。未来を先取りしたかのような先進的なインテリアがいいし、居心地がいい。従来のドアミラーをカメラに置き換えただけでなく、カメラありきで設計しているため、外にあるカメラの存在が気にならないし、ディスプレイの視認性もいい。
そして何より、走りがいい。応答性が高く、力強い。フレンドリーな内外観に惑わされてしまうが、EVスポーツカーと呼ぶにふさわしい実力の持ち主である。
2019年12月以降に登場したモデルが今回の企画の対象なので、マツダ3にモデル追加(というか、発売が遅れた?)されたスカイアクティブX搭載車もリストアップの対象になる。だとすると、文句なしの「推しカー」である(とくにファストバック。6速MTで、AWDが個人的には好み)。
世界でこのクルマ(とCX-30)だけしか積んでいないガソリン圧縮着火燃焼エンジンを自分のものにできる点が、最大の推しポイントだ。大げさにいえば、自動車産業の歴史の一部を手にする感覚である。
ただそれだけのためにカッコ悪くて退屈なクルマを買う気にはならないが、マツダ3がいいのは、エクステリアもインテリアも上品でカッコ良く、走りがいいこと。スカイアクティブXはマツダ3の魅力をさらに押し上げるための要素として機能しているのがポイントだ。
2020年くくりなのでこれをいっては反則かもしれないが、2021年1月にはスカイアクティブXのアップデート版搭載車が発売され、さらに魅力が増す。
『2020年の推しカー』は毎日更新です!
いよいよ2020年もラストスパート! ということで、今年(2019年12月〜2020年11月)に発表・発売されたクルマ(マイナーチェンジ・一部改良・追加モデルなどすべて含みます)の中から、「他人はどうか分からないが、個人的に大好きだ!」という"推しカー”を3台、自動車評論家・業界関係者に選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに!