REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
BMW Motorradがコンセプトモデルとして発表した電動スクーター・Definition CE 04は短距離移動を繰り返す、都会での使用をイメージして開発された、新しいコンセプトの都市型コミューター。1日の走行距離12kmを目安とし、都市部での通勤、オフィスから近場への移動、近隣への買い物など、便利で身近なモビリティとして開発されている。
低重心で安定した走行を可能にするため、バッテリーはフラット型としてフロアボード下に収納。また、リヤサイドにヘルメット収納スペースの開閉部を設けるなど、既存のスクーターとは一線を画す、独自のスタイルを確立しているのがポイントだ。
設計責任者のエドガー・へインリッチ氏によると、
「電気モビリティは、BMWグループでも中心的なドライブシステム。特に都市環境において電気ドライブは、BMW Motorradの軸となりつつある。2013年以来、BMW Motorradは電動モビリティのパイオニアともいえる存在。 Definition CE 04は、大都市圏における電気自動車戦略の大きなカギを握っている。これからBMW Motorradは、技術的にも視覚的にも、大都市圏の電気モビリティのレベルを、さらに引き上げるだろう」
また、車両デザイン責任者であるアレクサンダー・バッカン氏は、
「床下のフラットエネルギーパックやコンパクトなドライブトレインなど、最新の電気駆動技術により、他にはない個性的なデザインを実現した。従来のスタイリングとは一線を画す、都会的な新しい美学。シンプルな機能性、明確な美学、そして今日のユーザーが住む、デジタルリアリティのニーズに沿ったデザインがポイント。
Definition CE 04は視覚的に、既存のスクーターの外観とは明らかに異なるのが特徴。細長い車体と斜めに立ち上がるフロントエンドが、クリアでありながらもモダンなシルエットを生み出すことに成功した。
シャープなエッジを備えた、寛大で落ち着いた表面デザインは、現代の都会の環境に完全に溶け込んでいる。フロアボード下にレイアウトしたフラット型のバッテリーは、側面から折り畳むことも可能な便利なタイプ。また、ヘルメットやその他の装備も、側面から簡単に出し入れOK。定位置に設置されたフラット型バッテリーは、理想的な重心を提供し、遊び心のあるハンドリングとダイナミックなライディングの楽しさを実現している」
Definition CE 04には、前後に肉厚的なワイドタイヤを装備。リヤの足周りは片持ち式スイングアームとし、左サイド装着のシングルショックを採用。ヘッドライトは U字型LEDをツインで装備。10.25インチディスプレイを採用したメーターは、スマートフォンとの連動が可能だ。
写真は視認性を高める、Definition CE 04専用に開発されたライトガイド付きのウォームパーカー。クラシックなバイク用ウエアではなく、都会的で機能性の高い、街にも馴染むファッショナブルなデザインが特徴だ。
周囲の運転者からの視認性に優れた光るライトガイドは、袖のセンサーを介してスイッチをオンにでき、色の変更も可能。パーカーの内ポケットには、スマートフォン用の充電フィールドも設置されている。
都会的なホワイトカラー、大きめのフードなどを採用したこのパーカーは、防寒性はもちろん、防水性や通気性も良好。プロテクターも盛り込まれ、転倒時等の安全性もしっかりと確保されている。