福岡市は、近年の地球温暖化の状況を踏まえ、「脱炭素社会」の実現に向けた取り組みとして、市民・事業者・行政が一体となった、各種取り組みを実施している。そのひとつが、電気自動車等の次世代自動車普及促進事業であり、電気自動車等を購入する際の補助金を設定し、環境にやさしい電気自動車の普及促進に向けて積極的に取り組んでいる。
一方、日産自動車は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を発表し、その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力して、電気自動車普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいる。また「ブルー・スイッチ」活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化などの地域課題の解決に取り組み、SDGsの達成に貢献している。
この日産自動車が推進する「ブルー・スイッチ」活動、そして、福岡市が推進する防災、地球温暖化対策、そしてSDGsと、双方の取り組みに互いが賛同し、このたび同本協定の締結を行う運びとなった。電気自動車を活用した「災害連携協定」の概要は以下のとおり。
【協定の概要】
・福岡市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所に、福岡日産自動車および日産プリンス福岡販売の店舗に配備している電気自動車「日産リーフ」を無償で貸与する。
・福岡市、日産自動車、福岡日産自動車および日産プリンス福岡販売の協力により電気自動車からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。
・福岡市、日産自動車、福岡日産自動車および日産プリンス福岡販売は、平常時も電気自動車の普及促進を行うほか、市のイベントで使用する電力を電気自動車から供給することで、『電気自動車は「走る蓄電池」』としての活用を市民へ積極的にアピールし、環境・防災意識向上を目指す。
・日産自動車、福岡日産自動車および日産プリンス福岡販売は、福岡市が目指す2040年度脱炭素社会の実現に向けて、地球温暖化対策に率先して取り組み、協力していく。
福岡市では今年度、公用車として電気自動車「日産リーフe+」7台と、EVから電気を取り出す可搬型給電器8基を、停電時に本庁と各区に配備できるように導入する。また、災害時に電気自動車等からの外部電力を使用し、避難所で電化製品を安心して使用できるよう、公民館・空港周辺共同利用会館の分電盤やコンセント等の改修工事も進めていく。そのほか、環境に優しく災害時には電力源となる電気自動車の普及に向けて、EV本体の補助金のみならず、EV充電器やEVの電力を建物の電力として活用できる電力変換装置V2H(Vehicle to Home)システムへの補助金設定など、さまざまな施策を行っている。福岡市は、今後もさらなるEV普及・促進の取り組みを推進し、地球温暖化対策の強化および防災力向上に努めていく。
日産自動車は、人々の生活を豊かに、というビジョンのもと、「ニッサン インテリジェント モビリティ」を推進し、独自性にあふれ、革新的なクルマやサービスをけるとともに、「ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)」「ゼロ・フェイタリティ(交通事故による死亡・重傷者数ゼロ)」に取り組んでいる。そして「ブルー・スイッチ」の推進に加え、電気自動車というクルマの販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のために、EVの生み出す新たな価値を世界に発信し続け、よりよい社会づくりへの貢献を目指している。
今回の「災害連携協定」も、日産の「ブルー・スイッチ」の活動に基づくものであり、日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては、今回の締結が全国で71件目となる。また、EVを活用したエネルギーマネジメントや観光などを含む、「ブルー・スイッチ」活動としての取り組みは98件目を数える。
福岡市と日産自動車は、今後もこの協定締結を機に、防災および地球温暖化対策を強化し、電気自動車を活用した持続的なまちづくりを推進していく。そして今後も、電気自動車の普及を通じた地域課題の解決とSDGs達成に向けて、さらに連携を強化していく構えだ。