REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
※注:下記の日本価格は2020年10月19日現在の為替相場で換算したものです
国内で人気のビッグシングルマシンといえば、ヤマハSR400。SR400は空冷4ストローク単気筒SOHC 2バルブ399ccエンジン搭載。最高出力は24ps(18kW)/6500rpmで、最大トルクは2.9kg-m(28N-m)/3000rpmを発揮。ミッションは5速、圧縮比は8.5、重量は175kg。エンジン始動方式はキックのみで、セルフスターターは省かれている(ハイネスCB350はキックなしのセルのみ)。
SR400のボア×ストロークは、Φ87mm×67.2mmのショートストローク型(絶版のSR500はΦ87mm×84mm)。各車のボア×ストローク比(ストローク長÷ボア径=高いほどロングストローク度が高い)を数値で換算してみると、
・ヤマハSR400……0.772
・ホンダ ハイネスCB350……1.270
つまり、ショートストローク型のSR400と、ロングストローク型のハイネスCB350は、同じ4ストローク単気筒SOHCながら、その特性や乗り味はやや異なると予測。
数値を見る限り、SR400はやや回転を上げてパワーを稼ぐタイプ(MAXパワーは6500回転)だが、ハイネスCB350はロングストロークらしい、中回転域(MAXパワーは5500回転)で楽しめる特性に味付けされている。
ボア(径)とはピストンとシリンダーの直径。ストローク(長)とはピストンが上下運動する距離(長さ)を示す。
ロングストローク型とは、ボア径よりもストロークの長いタイプ。低中回転域でネバリ強い、街乗りしやすいエンジン特性。ショートストローク型は、ストローク長よりもボア径のほうが大きいタイプ。高回転までスムーズに回るレーシーなエンジン特性。スクエアストローク型、ボア径とストローク長が同じサイズのタイプ。
一般的に排気量の大きなロングストローク型は、低中回転域でのモリモリとした太いトルクを活かした、突き上げるような乗り味が楽しめるのが特徴(登り坂でもスロットルをひねれば、力強く走るイメージ)。「回転を上げて走るのではなく、トルクで走る」大排気量でV型2気筒のハーレーダビッドソンは、まさにこれに当てはまる。
一方、排気量の大きなショートストローク型は、高回転域でパワーを稼ぐ、スポーティーでレーシーなエンジン特性(登り坂ではシフトダウンして高回転をキープすれば、スムーズに走るイメージ)。4気筒エンジン搭載のスポーツモデルなどが典型的な例。
ボディサイズは全長2163mm、全幅800mm、全高1107mmで、ホイールベース(軸距)は1441mmに設計。車重は181kgで、やや大柄なイメージだ。シート高は800mmに設定されている。
前後ホイールは軽快なデザインのキャスト型とし、フロント19インチ、リヤ18インチの異径に設定。タイヤは前後ともチューブレスタイプとし、フロントには100/90-19、リヤにはワイドな130/70-18の各サイズを選択。
ブレーキは前後ともディスク式を採用。フロントはφ310mmディスクローター+2ポットキャリパー、リヤはφ240mmディスクローターとし、スポーツ走行にも対応しそうだ。タイヤのロックを防ぐ、デュアルチャンネルABSも導入されている。
エキゾーストシステムは、直径45mmの大型テールパイプを搭載。マフラー容量とのバランスを最適化して、大胆な低音を生み出している。
膨張室には1チャンバー構造を採用し、排気音のシャープネス化を実現。その結果、豊かでゴツゴツしたビッグシングルならではの排気音を実現。また、2層構造によりエキゾーストパイプの熱変色を防ぎ、美しさを維持してくれるのも特徴。
全長:2163mm
全幅:800mm
全高:1107mm
軸距:1441mm
最低地上高:166mm
シート高:800mm
車重:181kg
エンジン:空冷4ストローク単気筒SOHC
排気量:348.36cc
ボア×ストローク:70mm×90.5mm
圧縮比:9.5:1
最高出力:15.5kW(21ps)/5500rpm
最大トルク:30N-m(3.06kg-m)/3000rpm
燃料システム:PGM-FI
ミッション:5速
クラッチタイプ:マルチプレートウェットクラッチ
燃料タンク容量:15L
フレームタイプ:セミダブルクレードルフレーム
キャスター角:27°05′
トレール:120mm
フロントサスペンション:正立型
リヤサスペンション:ツイン型
ブレーキ:
前 φ310mmディスク+2ポットキャリパー
後 φ240mmディスク
タイヤサイズ:
前 100 / 90-19M / C 57H(チューブレス)
後 130 / 70-18M / C 63H(チューブレス)
オンラインの発表会では、懐かしいCB350Fourなど、日本でもおなじみのCBの歴史や伝統も紹介。ホンダ H'ness(ハイネス)CB350が、過去のモデルの血統を受け継いだモデルであることが解説された。