それによると、「日産」ブランドと「インフィニティ」ブランドを合わせた販売台数は22万1150台で、前年比32.4%減という結果であった。新型コロナの影響が直撃した第2四半期(4〜6月)の17万7328台(前年比49.5%減)からは回復傾向にあるのは間違いないが、手放しで喜ぶことはできない。
例えばホンダは第3四半期で前年比9.5%減といった具合に、他の日本車メーカーは急速に販売を伸ばしつつある。それと比べると、日産の回復は緩やかと言わざるを得ない。
日産は5月28日に発表された2023年度までの4か年計画において、苦戦が続く北米事業の「質の回復」を掲げ、「SUV・ピックアップの商品力の強化」を謳った。その言葉どおり、6月には北米で新型ローグ(日本名エクストレイル)が発表。さらに新型パスファインダー、新型フロンティア、新型QX60、アリアなど、SUV・ピックアップのカテゴリーにおいて多くのニューモデルが投入される予定だ。そして車齢の若返りが実現し、強力な手駒が揃うことで、日産の米国販売が活性化されることだろう。
では、現状の北米日産ではどんな車種が売れているのだろうか。第3四半期の販売台数順にリストアップしてみた。
第1位 ローグ:6万0463台(−37.7%)
第2位 アルティマ:2万8033台(−45.2%)
第3位 セントラ:2万6068台(−31.8%)
第4位 キックス:1万9478台(9.4%)
第5位 ムラーノ:1万4884台(−38.9%)
第6位 パスファインダー:1万0572台(−18.9%)
第7位 ヴァーサ:1万0466台(24.1%)
第8位 フロンティア:7213台(−53.1%)
第9位 タイタン:7207台(−2.4%)
第10位 インフィニティQX50:5500台(12.6%)
※( )内は前年同期比
1位はぶっちぎりでローグ(エクストレイル)だ。10車種中7車種がSUV・ピックアップとなっているほか、日本でも販売されている車種はローグとキックスのみ、というのも分かる。日産がいかに日本市場と米国市場で異なる車種展開を行っているかということがうかがえるランキングだ。