7速のISRロボタイズド・トランスミッションはスリリングな超高速シフトを保証し、プッシュロッド式サスペンションはレーシングカー並みのドライビング精度をもたらした。上に向かって開くアイコニックなドアは、伝説的なカウンタックやそれに続くV12モデルと同タイプだ。
2012年11月には、アヴェンタドールのロードスターバージョンが発表された。全カーボンファイバー製のルーフはふたつのセクションで構成され、RTM成形やフォージド・コンポジッドなどの技術を採用。ルーフセクションの重量はそれぞれ6kg未満と超軽量だ。リヤピラーは取り外し式のルーフを適切に支え、オートマチック・パッセンジャー・プロテクションシステムが組み込まれ、エンジンコンパートメントの換気が十分に行われるように再設計されている。
2012年のジュネーブ・モーターショーでは「アヴェンタドールJ」が初公開された。サンタアガタのデザイナーとエンジニアが、ルーフと従来型ウィンドウスクリーンを取り払い、エクステリアとインテリアが互いに溶け込んで見える“オープン”スーパースポーツカーだ。700psの2シーターで、ランボルギーニのカーボンファイバーテクノロジーにおける他の追随を許さない専門性を示す最先端の技術と素材を備えている。
300km/hを超える超高速走行を前提にしたデザインで、そのエクストリームな体験はすべて唯一無二の格別なものであることを表している。アヴェンタドールJは公道走行の承認を受け、ワンオフとして世界でただひとつの芸術作品を所有することとなる幸運な愛好家のもとに送られた。
2016年には「アヴェンタドール・ミウラ・オマージュ」を披露。ランボルギーニのV12スーパースポーツカーの先駆けであったミウラの50周年を記念し、アヴェンタドール・クーペをベースに ミウラに敬意を表した特別なシリーズだ。アドペルソナム部門が手掛け、わずか50台のみの限定生産だったアヴェンタドール・ミウラ・オマージュは、オリジナルのミウラのカラーや特徴を反映している。
また、2016 年は「アヴェンタドールS」も発表。新しい空力デザイン、再設計されたサスペンション、さらなる高出力、完全に刷新されたドライビングダイナミクスを打ち出した進化版である。「S」はランボルギーニのモデルの強化バージョンであることを示しており、最高出力は前モデルより40psアップとなる740psを発揮。ドライビングのスリル感をさらに高める4輪駆動、新しいアクティブサスペンション、革新的な4輪操舵システム、新ドライビングモードEGO という4 つのエンジニアリングの傑作を採用した。EGOは、トラクション、ステアリング、サスペンションを「STRADA」、「SPORT」、「CORSA」 のなかから好みに合わせて設定し、追加のコンフィギュレーションプロファイルとして選ぶことができるドライビングモードだ。
2018年には「アヴェンタドールSVJ」が登場した。「SV」は、ランボルギーニの伝統として「Superveloce(スーパーヴェローチェ=超高速)」を意味し、「J」は「Jota(イオタ)」の頭文字で、優れたサーキット性能とパフォーマンス性能を表している。そんなアヴェンタドールSVJは、ドイツの有名なニュルブルクリンク北コース20.6km をわずか6 分44秒97でラップし、市販車最速記録を樹立したことで一躍その名を轟かせた。
アヴェンタドールSVJ は900台の限定生産モデルだったが、カーボンファイバーを広範に使用したユニークなセットアップのスペシャルエディション「SVJ 63」は、アウトモビリ・ランボルギーニの設立年である1963年に敬意を表し、63 台のみ限定生産された。どちらのモデルも、空力重視の新しいデザイン要素を特徴としており、分離されたフロントスプリッターは浮かび上がるような印象を与えつつ、空気の流れを通すチャネルとしても機能。フードの立体的なエアインテークは空気の流れを導き、リヤスポイラーは最高の空力効率を発揮する設計だ。サイドフィン付きの新しいフロントバンパーには新しいエアインテークが設けられ、ランボルギーニが特許を取得したALA(エアロディナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ)システムを搭載している。
そして2019 年、ふたつのアートコンセプトの融合を象徴した、ワンオフの「アヴェンタドールS by Skyler Grey(スカイラー・グレイ)」が公開。ひとつは引き締まったライン、3次元的な立体感、往年の幾何学的・様式的デザイン要素を特徴とする独特のフォルムに数々の革新的な技術を搭載する、ランボルギーニとしての芸術性。もうひとつはスカイラー・グレイによるストリートアートで、エアブラシやスプレーガン、ローラー、ステンシル等のストリートアートの主要テクニックを駆使し、彼独特のオレンジとイエローのポップなスタイルでボディを個性的に仕上げている。
スカイラー・グレイによるペイント作業はランボルギーニの新しいペイントにかかわらず、サポートチームの支援もあり、初の公道仕様の4 輪アート作品が誕生した。