従来、シートの樹脂部品には金属補強を施すため、より多くのコストがかかっていた。 TMNA R&Dは複雑でコストのかかる後処理を必要としない、一体成形の射出成形部品を求めていた。そこで、BASFの素材と設計に関する専門知識に出会い、BASF独自の35%ガラス繊維強化材で高い衝撃性を有するポリアミドPA 6グレード、Ultramid(ウルトラミッド)B 3 ZG 7 CRが採用された。また、CAE (コンピュータ支援エンジニアリング) ツールであるULTRASIM® (ウルトラシム)の活用により、様々な開発フェーズでの正確なCAEシミュレーションを可能とした。
「この3列シートは、射出成形されたシートバックとしては初めて一体成形として設計され、実現した技術です。高い伸長性と耐衝撃性を確保することが課題のひとつでした。同時に、座面がラゲージスペースとしても機能するため、強度と剛性も重視しました」 とBASFパフォーマンスマテリアルズのアプリケーション開発エンジニアリングおよびコンポジットテクノロジー担当マネージャー、マット・パーキンソン氏は述べている。
また「BASFは、シートバックについてのこうした課題を解決し、目標達成に貢献してくれました」とマック氏は述べている。