日産自動車は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を発表。その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力して、電気自動車普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいる。また「ブルー・スイッチ」活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化などの地域課題の解決に取り組んでいるほか、SDGs推進に向けた取り組みにも積極的だ。
一方、来年、市制100周年という大きな節目を迎える千葉市では、さまざまな取り組みを進めている。2019年の台風15号、19号、10月25日の大雨により受けた甚大な被害を教訓として活かし、「災害に強いモデル都市」を実現するため、『災害に強いまちづくり 政策パッケージ』を策定。災害被害に備えた、支援・復旧体制の強化に努めている。また省エネルギー・再生可能エネルギー導入など、環境対策の一環として地球温暖化対策にも取り組み、SDGsの達成に貢献している。
この日産自動車が推進する「ブルー・スイッチ」活動、そして千葉市が推進する過去の教訓を生かした『災害に強いまちづくり 政策パッケージ』と、双方の取り組みに互いが賛同し、このたび同協定の締結を行なう運びとなった。電気自動車を活用した「災害連携協定」の概要は以下のとおり。
【協定の概要】
・千葉市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所に、千葉日産自動車、日産プリンス千葉販売および日産サティオ千葉の店舗に配備している電気自動車(EV)「日産リーフ」を無償で貸与する。
・千葉市、日産自動車、千葉日産自動車、日産プリンス千葉販売および日産サティオ千葉の協力により電気自動車(EV)からの給電を行なうことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。
・千葉市、日産自動車、千葉日産自動車、日産プリンス千葉販売および日産サティオ千葉は、平常時も電気自動車(EV)の普及促進を行なうほか、市のイベントで使用する電力を電気自動車(EV)から供給することで、『電気自動車は「走る蓄電池」』としての活用を市民へ積極的にアピールし、環境・防災意識向上を目指す。
千葉市では令和4年度末を目途に、避難所となる公民館・市立学校等(182カ所)に太陽光発電設備・蓄電池を整備することや、市の清掃工場で電気自動車の急速充電を可能にするなど、全国においても非常に画期的な取り組みを推進している。とくに、過去の災害経験を活かした電力および通信の強靭化の取り組みの一環として、災害時に避難所や医療施設等に、協力企業や一般市民が所有する電気自動車を運び、電力源として活用する「マッチングサービス」を開始。災害時に必要とされる場所へ電力供給できる仕組みを構築していく。この「マッチングサービス」は、全国の政令指定都市初の画期的な取り組みとなるものだ。そのほか、市民が自ら電気を「作る」「ためる」 「使える」環境づくりの促進を行ない、太陽光発電設備等の助成金や、電気自動車を中心とした次世代自動車への補助金、EV等の電気を家庭で使うために必要なV2H(Vehicle to Home)機器の購入補助金の設定を行うなど、積極的なEV普及促進を行なっている。
また千葉市は、すでに公用車として電気自動車「日産リーフ」を導入しており、今後もEV普及・促進の取り組みを推進し、さらなる防災力向上に努めていく方針だ。
日産自動車は、人々の生活を豊かに、というビジョンのもと、「ニッサン インテリジェント モビリティ」を推進し、独自性にあふれ、革新的なクルマやサービスを届けるとともに、「ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)」「ゼロ・フェイタリティ(交通事故による死亡・重傷者数ゼロ)」に取り組んでいる。そして「ブルー・スイッチ」の推進に加え、電気自動車というクルマの販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のために、EVの生み出す新たな価値を世界に発信し続け、よりよい社会づくりへの貢献を目指している。
今回の「災害連携協定」も、日産の「ブルー・スイッチ」の活動に基づくものであり、日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては、今回の締結が全国で57件目。また、EVを活用したエネルギーマネジメントや観光などを含む「ブルー・スイッチ」活動としては84件目の取り組みとなる。
千葉市と日産自動車は、今後もこの協定締結を機に、防災対策を強化し、電気自動車を活用した災害に強いまちづくりを推進していく。そして、SDGsの推進や電気自動車の普及を通じた地域課題の解決に向けて、さらに連携を強化していく構えだ。