REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)
PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kousaku)/山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
MOVIE●倉田昌幸(KURATA Masayuki)
アクセルワークの基本は「丁寧」かつ「スムーズ」に。ところが、これがそう簡単にはいかないもの。特に高性能な大排気量モデルは想像アクセルレスポンスも鋭く、その気はないのにドッと加速してびっくりすることがあります。いわゆる、“ドンツキ”と呼ばれるものです。
たとえばコーナリングの場合。通常はスロットルを閉じて曲がり始め、コーナーの途中から再びスロットルを開けて立ち上がっていくのが理想ですが、ドンツキが気になってスロットルを戻してまた開け直したりして、走りがギクシャクしてしまうことがないでしょうか。そうなると、走りのリズムが乱れて気持ち良く走ることができません。
こうしたドンツキも実はバイクのせいではなく、ライダーの雑な操作が原因となっている場合がほとんど。最近では電子制御スロットルなども普及し、ある程度はマシンのほうでカバーしてくれますが、それにも限度が。最終的にはライダー自身がコントロールする必要があります。
そこでどうするか。アクセル操作の基本は具体的に言うと3段階。前述のコーナリングの例で言うと、①スロットルを閉じて(倒し込み)、②遊びをとって(準備し)、③ジワッと開ける(立ち上がる)、という手順になります。特に②の「遊びをとる」のがポイントで、予めワイヤーが張った状態にしておくことで、タイムラグもなくリニアでスムーズなレスポンスを引き出せます。アクセル操作は「オンか、オフか」というデジタル的なものではありません。特に疲れてくると、ガバッと開けたり絞めたり、と雑な操作になりがちなので注意しましょう。