8月4日、日産自動車と東愛知日産自動車は、蒲郡市と電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結したと発表した。

日産が締結した自治体・企業との「災害連携協定」はこれで51件目。EVを活用したエネルギーマネジメントや観光などを含む「ブルー・スイッチ」活動としては75件目の取り組み

 この協定の内容は、蒲郡市が、『電気自動車(EV)の普及を通じて、地域課題解決や環境負荷の低減に取り組むとともに、地震災害等による大規模停電が発生した際に、市が指定する避難所等において、日産の販売会社である東愛知日産自動車より貸与される電気自動車「日産リーフ」を電力源として活用することで、避難所の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努める』というもの。




 蒲郡市は、海や山などの大自然に恵まれ、三河湾に面した観光都市である一方、地震、津波、台風、洪水、竜巻とさまざまな災害による被害が危惧されており、地域防災力強化に向け積極的に取り組んでいる。また、地球温暖化対策の取り組みも推進しており、市民が積極的に導入できるよう、V2H(電気自動車等充給電設備)や、太陽光+HEMS+V2H(一体的導入)などに対して、「住宅用地球温暖化対策設備導入費補助金」を設定し、その普及・促進に努めている。そして、持続可能なまちづくりを目指し、SDGsの推進にも取り組んでいる。




 一方、日産自動車は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を発表し、その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力して、電気自動車普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいます。また、「ブルー・スイッチ」活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化などの地域課題の解決に取り組み、SDGsの達成に貢献している。

 この日産自動車が推進する「ブルー・スイッチ」活動、そして、蒲郡市が推進する防災や環境対策、そしてSDGs推進と、双方の取り組みに互いが賛同し、今回同協定の締結を行う運びとなった。電気自動車を活用した「災害連携協定」の概要は以下のとおり。

【協定の概要】




・蒲郡市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所に、東愛知日産自動車の店舗に配備している電気自動車「日産リーフ」を無償で貸与する。


・蒲郡市、東愛知日産自動車、日産自動車の協力により電気自動車からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命および身体の安全を守る。


・蒲郡市および東愛知日産自動車、日産自動車は、平常時も電気自動車の普及促進を行うほか、市のイベントで使用する電力を電気自動車から供給することで、『電気自動車は「走る蓄電池」』としての活用を市民へ積極的にアピールし、環境・防災意識向上を目指す。

災害発生時の「日産リーフ」からの電力供給イメージ図

 蒲郡市は、電気自動車「日産リーフ」の公用車や、EVから電気を取り出す可搬型給電器を9月末頃に導入する予定で、今後はさらなる EV普及・促進に向け、取り組んでいく。また、電気自動車を活用した防災力向上や、SDGs推進を目指していく。




 日産自動車は、人々の生活を豊かに、というビジョンのもと、「ニッサン インテリジェント モビリティ」を推進し、独自性にあふれ、革新的なクルマやサービスをお届けするとともに、「ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)」「ゼロ・フェイタリティ(交通事故による死亡・重傷者数ゼロ)」に取り組んでいる。そして「ブルー・スイッチ」の推進に加え、電気自動車というクルマの販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のために、EVの生み出す新たな価値を世界に発信し続け、よりよい社会づくりへの貢献を目指している。




 今回の「災害連携協定」も、日産の「ブルー・スイッチ」の活動に基づくものであり、日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては、今回の締結が全国で51件目となる。また、EVを活用したエネルギーマネジメントや観光などを含む、「ブルー・スイッチ」活動としては75件目の取り組みとなる。




 蒲郡市と日産自動車は、今後もこの協定締結を機に、防災対策をより強化し、電気自動車を活用した、環境に優しく、災害に強い持続可能なまちづくりを推進していく。そして、電気自動車の普及を通じた地域課題の解決に向けて、さらに連携を強化していく方針だ。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 日産自動車が蒲郡市(愛知県)と電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結。災害による停電時は日産リーフを無償で貸与