ドレスアップ効果も高い社外のバックミラー。種類は多いけれど、どんなタイプでも即交換OK!ではない点に注意したい。バイク用ミラーに関する保安基準は、バイクの年式によって、鏡面サイズが定められている。


REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

車両の生産年月によって決まりあり!

写真はユニークな形状のジャンケンミラー。鏡面部は「手のひら」の丸い部分。

 バイクの社外バックミラーには、ミニタイプ、アルミ削り出しタイプ、足形、エアロカーボン等々、様々なタイプがある。このように、バイク用バックミラーは選び放題なのだが……。どんなタイプでも交換OK!ではないので注意が必要だ。




 2007年(平成19年)、バイクのバックミラーに関する保安基準が改正。これにより、2007年(平成19年)1月1日以降に生産されたバイクに限り、鏡面部が、




・円形タイプは直径Φ94mm~Φ150mm


・円形タイプ以外は、縦120mm以内×横200mm以内で、直径φ78mmの円を内包するもの


・円形タイプ以外は、鏡面の総面積が、69㎠以上であること




 というルールが新たに定められた。

 250ccを超えるバイクの場合、上記の基準値外だと車検が通らない。ファッション性を重視したミラーの中には、車検非対応のタイプもあるので注意が必要だ。




 また、この保安基準を守らないと、『整備不良』となり、




●50cc未満:違反点数1点、反則金5000円


●50cc以上:違反点数1点、反則金6000円




 に問われる。




 2007年(平成19年)1月1日以降に生産されたバイクのバックミラーを交換する場合は、必ず「2007年保安基準タイプ」なのかを確認することが重要。

2007年(平成19年)1月1日以降に生産されたバイクは、左右にミラー取り付け必須。では、2007年(平成19年)1月1日“以前”は?

交通量の増加等に伴い、1980年頃からメーカーは自主的にミラーを左右に装備するようになった。とはいえ、2002年発売の「スズキ チョイノリ」は、右側のみの標準装備という珍しい存在。

 2007年(平成19年)の保安基準改正により、2007年(平成19年)1月1日以降に生産されたバイクに限り、




・最高速度50km/hを超える51cc以上の車両は、左右両側にそれぞれ1個ずつ後写鏡を備えなければならない




・最高速50km/h以下(50cc未満)の車両は、通常の運転姿勢から左右外線上50m後方までの交通状況を確認できること




 とした。つまり、2007年(平成19年)1月1日以降に生産されたバイクは、排気量を問わず、左右にミラー取り付け必須となった。この保安基準を守らないと、『整備不良』となり、




●50cc未満:違反点数1点、反則金5000円


●50cc以上:違反点数1点、反則金6000円




 に問われる。




 ただし、原付1種と原付2種の場合、「2006年(平成18年)12月31日以前に製造されたバイク」であれば、基本的に右側装着のみでも違反には問われない。この点に関する詳細は、下記の記事で解説。

純正の右側ミラーに装着された「アダプター」の役割とは?

写真は右側ミラーから「アダプター」を取り外したところ。

 時計回りで締まるのが「正ネジ」。反時計回りで締まるのが「逆ネジ」。「逆ネジ」は、ヤマハのバイクの右側純正バックミラーの多くに採用されているのが特徴。




 ホンダやスズキなどの右側純正バックミラーには、右側ミラーとミラーホルダーの間に「アダプター」が装備されていることが多い。




 これは、「歩行者等に接触した場合に衝撃を緩衝できる構造であり、歩行者に傷害を与える恐れのないもの」という保安基準をクリアするため。




 「アダプター」は右側バックミラーを時計回り方向で緩めることで、人や物に接触した時に緩む=安全を確保しているわけだ。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 小さすぎると違反1点! バイク用バックミラー、大きさにはルールがある。【バイクの法律】