ついにNinja ZX-25Rの国内発売日(9月10日)や仕様の詳細が発表されたが、すでにインドネシアでは日本に先立って7月10日に正式発表を実施。オンラインで伝えられたスペックなども参照しつつ、国内仕様との相違点をチェックしてみよう。




REPORT●川島秀俊

国ごとに異なる規制に対応し、インドネシア仕様と国内仕様では吸排気系の設計が異なる。最高出力はインドネシア仕様が50ps、国内仕様は45psだ。

カワサキNinja ZX-25R……82万5000円(10%消費税込)

カワサキNinja ZX-25R SE……91万3000円(10%消費税込)

  まず大きく異なるのは、国ごとに異なる規制への対応だ。インドネシアの規制はEURO4相当なのに対し、日本はさらに厳しいEURO5相当となっている。当然、吸気系と排気系の設計が異なっており、パワー的には日本仕様の方が抑えられている。その抑えられたパワーで、日本仕様は昔の規制の緩かった時代のZXR250と同じ45psを発揮! インドネシア仕様は50psというカタログスペックで、ラムエアシステムの加圧があれば51psを叩き出す。これはある意味、アフターパーツによるチューニングの余地を予見させるデータといえるだろう。すでに国内のマフラーメーカーは開発に動き出しており、政府認証など必要のないレーシングエキゾーストは、早い段階でパワーアップできる製品のリリースが見込まれる。




 ほかにインドネシア仕様と国内仕様で異なるのは、リヤスプロケットのサイズ。インドネシア仕様が48丁なのに対し、国内仕様は50丁と少しローギヤードだ。これはエンジン出力に対応したセッティングに見えるが、国内ではスポーツ走行を重視してのチョイスとも受け取れる。より鋭い加速でコーナーを駆け抜けるべく、吟味された減速比に設定されているといえよう。




 アクセサリーの部分では、国内仕様にはETC2.0車載器キットが用意されている。これは日本独自のシステムなので当然の違いだが、なんとメーターの液晶表示にETCインジケーターがあるのだ。ツーリングなどで重宝する必需品だけに、日本市場を意識した装備を盛り込んでくれるのはありがたい限りだ。







シフトアップインジケーターも装備する多機能メーター。液晶表示部には、国内用アクセサリーとして用意されるETCのインジケーターも盛り込まれている。

リヤスプロケットのサイズが異なっており、インドネシア仕様が48丁なのに対して国内仕様は50丁を装備。ローギヤード化することで、より加速性能を高めている。

Ninja ZX-25R 日本仕様の主要スペック

型式:2BK-ZX250E


全長x全幅x全高:1,980mm×750mm×1,110mm


軸間距離:1,380mm


最低地上高:125mm


シート高:785mm


キャスター/トレール:24.2°/ 99mm


エンジン種類/弁方式:水冷4ストローク並列4気筒/DOHC 4バルブ


総排気量:249cm³


内径x行程/圧縮比:50.0mm×31.8mm/11.5:1


最高出力:33kW(45PS)/15,500rpm


ラムエア加圧時:34kW(46PS)/15,500rpm


最大トルク:21N・m(2.1kgf・m)/13,000rpm


始動方式:セルフスターター


点火方式:バッテリ&コイル(トランジスタ点火)


潤滑方式:ウェットサンプ


エンジンオイル容量:2.9L


燃料供給方式:フューエルインジェクション


トランスミッション形式:常噛6段リターン


クラッチ形式:湿式多板


ギヤ・レシオ:


1速 2.928 (41/14)


2速 2.055 (37/18)


3速 1.619 (34/21)


4速 1.333 (32/24)


5速 1.153 (30/26)


6速 1.037 (28/27)


一次減速比 / 二次減速比:2.900(87/30)/3.571(50/14)


フレーム形式:トレリス


懸架方式:


前 テレスコピック(倒立・インナーチューブ径 37mm)


後 スイングアーム(ホリゾンタルバックリンク)


ホイールトラベル:


前 120mm


後 116mm


タイヤサイズ:


前 110/70R17M/C 54H


後 150/60R17M/C 66H


ホイールサイズ:


前 17M/C×MT3.50


後 17M/C×MT4.50


ブレーキ形式:


前 シングルディスク 310mm (外径)


後 シングルディスク 220mm (外径)


ステアリングアングル:(左/右)35°/ 35°


車両重量:184kg(スタンダードは183kg)


燃料タンク容量:15L


乗車定員:2名


燃料消費率(km/L):※1 24.0km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、2名乗車時)※2


18.9㎞/L(WMTCモード値 クラス3-2、1名乗車時)※3


最小回転半径:2.6m




※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状況などの諸条件により異なります。


※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。


※3:WMTCモード値とは、発進・加速・停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。

Ninja ZX-25R インドネシア仕様の主要スペック ※カッコ内はABS SE

全長:1980mm


全幅:750mm


全高:1110mm


軸距:1380mm


シート高:785mm


車重:180kg(182kg)


エンジン:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ


排気量:249.8cc


ボア×ストローク:Φ50mm×31.8mm


圧縮比:11.5:1


最高出力:50ps/15500rpm(ラムエア―加圧時は51ps/15500rpm)


最大トルク2.3kg-m/14500rpm


変速機:6段


クラッチ:湿式


燃料タンク容量:15L


キャスター:24.2°


トレール:99mm


ブレーキ:


 Fφ310mmディスク+4ポットキャリパー


 Rφ220ディスク+1ポットキャリパー


タイヤサイズ:


 F110/70R17


 R=150/60R17


現地価格:9600万ルピア(1億1290万ルピア)
情報提供元: MotorFan
記事名:「 排ガス規制で異なる出力|カワサキNinja ZX-25R、インドネシア仕様と日本国内仕様の違い。