冷蔵庫でキンキンに冷えたドリンクは、夏のドライブやツーリングの休憩には欠かせないアイテム。美味しく飲むポイントは、冷えをキープすること。ここではドリンクの種類や容器によって、冷えのキープ率=温度の上昇傾向に違いがあるのかを調査してみた。


PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

「保冷」と「保温」の2つの機能を装備し、ドリンククーラーにもドリンクウォーマーにもなる『車載用ドリンクホルダー』を使った下記の実験では、スチール缶、アルミ缶、ペットボトルにより、ドリンクの温度下降率や温度上昇率に大きな違いが生じた。※詳しくは下記参照!

 果たしてこの記事は誰得なのだろうか……。そんな疑問を胸に秘めながらも今回は、上記の実験の最中で感じた疑問、


『炭酸やお茶など、ドリンクの種類によっても、温度下降率や温度上昇率に違いはあるのか?』


 を調査することに。車内の常温で少しでも冷たさが持続するドリンクをチョイスできれば、ドライブが一層快適になるはず! と思っての実験である。センサー付きの温度計を使い、“冷えをキープしやすいドリンク&容器”を調べてみた。




 実験方法は、




1:7.3℃の冷蔵庫内で各ドリンクを24時間冷やす


2:冷蔵庫から外(外気温:28.6℃)に取り出し、すぐさまセンサー付きの温度計を使って計測開始(0分後)


3:15分後・30分後・45分後・60分後の温度を計測

今回テストしたのは全8種類

冷やして美味しい、夏に人気のドリンク8種類をセレクト。

炭酸飲料(三ツ矢サイダー)/アルミ缶/250ml
コーヒー(冴えるブラック)/アルミ缶/400ml
炭酸飲料(コカ・コーラ)/ペットボトル/500ml
ミネラルウォーター(ヴォルビック)/ペットボトル/500ml
ウーロン茶(黒烏龍茶)/ペットボトル/350ml
コーヒー/スチール缶/185ml
ミックスジュース/ペットボトル/250ml
レモンティー/紙パック/200ml
温度計のセンサーは、外気で温められた液体が移動しやすく、温度が変化しやすい上部にセット。

テスト日:2020年7月4日


●天候:曇り時々雨


●外気温:28.6℃


●湿度:85%


●冷蔵庫内の温度:7.3℃


※温度計のセンサーは、すべて温度が変わりやすいドリンクの上部にセットする

テスト結果

コーヒーの場合、冷蔵庫取り出し直後(0分後)に違いはあるが、60分後の温度は同じ。温度の上昇率もほぼ共通しているのが特徴。

0~60分後の温度上昇率を示したグラフ。グラフの傾斜が緩やかで、下に位置するドリンクほど、温度変化が少なく、安定した冷えをキープ。

 冷蔵庫から取り出した直後の温度は、「ペットボトル入りの炭酸飲料」が10.7℃と顕著に冷えていた。容器で見た場合、冷えやすさはペットボトル>スチール缶>アルミ缶>紙パックの順。なお、ペットボトル入りの炭酸飲料は、ペットボトル入りの水やお茶に比べ、時間ごとの温度上昇率が低い(温度が上がりにくい=冷たさが保たれている)のが特徴。

 60分後の温度は、21.8℃でペットボトル入りのミックスジュースがもっとも低い。2番目は22.2℃のペットボトル入り炭酸飲料、3番目は22.9℃の紙パック入りレモンティー。ミックスジュースは「果物の繊維」が冷却効果を上げたのかは不明だが、グラフを見ても分かる通り、安定した冷えをキープしている。

 0分後~60分後の上昇温度は、9.8℃で紙パック入りのレモンティーがもっとも低い(温度変化が少ない)。2番目は10.4℃のペットボトル入りのミックスジュース、3番目は10.7℃のアルミ缶入りコーヒー。紙パック入りのレモンティーは、冷蔵庫から取り出した直後の温度は、13.1℃と8種類の中でもっとも高かったが、グラフの傾斜が一番緩やか。上昇した温度が低い=安定した冷えをキープと定義した場合、外気温度に左右されにくい容器は、紙パック>アルミ缶>スチール缶>ペットボトルの順。

冷蔵庫から取り出した直後の温度(0分後)は、ペットボトル入りの炭酸飲料が10.7℃ともっとも冷えていた。
60分後の温度は、21.8℃でペットボトル入りのミックスジュースがもっとも低い(少ない)のが特徴。
紙パック入りレモンティーは、安定した冷えをキープ。写真は45分経過時(22.1℃)。
ペットボトル入りのドリンクでも、種類が違えば温度上昇率は異なった。写真は60分経過時の水(23.8℃)。

注:上記の温度はすべて実測値です。当日の外気温度、湿度、計測方法、計測場所、温度センサーの位置等により、大きく変化する可能性があります。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 アルミか鉄か、紙パックか? それともペットボトル? 車内でぬるくなりにくい飲み物はあるのだろうか、探してみた。