そのスポーティな外観は、極めて活動的なイメージを表現しているが、他方では滑らかな仕上げなどをはじめとして、極めてエレガントな存在感も示している。本国では2019年のヨーロピアン・カー・オブ・ジ・イヤーを受賞、2020年にはドイツで優秀なデザインに贈られるレッド・ドット・デザイン賞を受賞している。
注目となるのは完全な電気自動車もe-208としてラインアップされている点で、本国では電気、ガソリン、ディーゼルの選択が可能だ。そのなかで日本にはEVとガソリン仕様が導入される。“パワー・オブ・チョイス”という言葉で示されるのは、単にどちらでも選べるということではなく、パワーユニット以外は、全く同一の価値観、装備を備えるということ。EVだからといって我慢する部分があるわけではなく、トータルとして決して高額でもない。という考え方。
プロダクトとしてまったく同一の価値を持ちながら、必要に応じてパワートレーンを選べるという考え方だ。
注目のEVモデルe-208のパワートレインは、50kWhのリチウムイオンバッテリーに電動モーターのみの組みあわせ。パフォーマンスとしては、最高出力136ps、最大トルク260Nm。1充電の航続距離はヨーロッパのWLTP値で340kmを実現した。最高速度は150km/hとされている。50kWのバッテリーユニットは、フロント、リヤの床下2箇所に分割配置され、充電をスムースにするべく7.4kWオンボードチャージャーも備える。さらに、エアコンもガソリン車と同等の性能を得るように、高性能のヒートポンプ式が採用された。
ドライブモードは、エコ、ノーマル、スポーツの3モードを装備し、経済性を重視する走りや、快適な走り、ファンな走りなどさまざまなニーズに対応することができる。ブレーキシステムは電動モーターによる制動で、発生するエネルギーを充電する回生を行うが、そのなかでもシフトレバーでBモードを選択することでより高い回生を行なうこともできる。
充電タイプはコンセント型、ウォールボックス型、チャデモ型の3種類に対応。普通充電のコンセント型は3kW/200Vで、100%充電に18時間、50km充電ならば4時間弱で可能。普通充電のウォールボックス型は6kW/200V相当ならば、100%充電に9時間、50km充電ならば2時間弱となる。さらに、高速道路のサービスエリアや大型ショッピングモールなどに設置されている、急速充電の大型充電機チャデモ(CHAdeMo)では50kwで、80%充電するのに約50分で可能となるという。また、プジョーディーラーでの充電設備の整備を進めているという。
また、ガソリンエンジンは1.2ℓのダウンサイジング・ターボエンジンを搭載。100ps / 205Nmを発揮、8速ATと組み合わされる。
ボディサイズは全長4055mm×全幅1765mm×全高1430mmで、ホイールベースは2540mm。先代に比較して、少し長く低く、幅広くなっている。
この新型208は最新のCMP (Common Modular Platform)を用いる。これは、B / Cセグメント共通で使用できるもので、先に登場しているC / Dセグメント用のプラットフォームEMP2との2本に集約する考えだという。
特徴となるのは、先代のプラットフォームに比べて30kgの軽量化を果たした他、フロアパンから検討し空力性能を向上。さらに面白いのは、ロール時のフリクションをも低減している点だ。このCMPは電動化も前提に設計されているばかりでなく、製造ラインでの内燃機関との混製も前提としている。
インテリアの特徴は、i-Cockpit(アイコクピット)を継承。F1のように小さなステアリングと、その上にメーターパネルを見せる、ヘッドアップ・インストルメント・パネルを継承している。今回よりホログラムを用いた3D i-Cockpitとして、立体的な表示とした点も大きな特徴だ。
税込価格はガソリン仕様の208が、Style 239.9万円、Allure 259.9万円、GT Line 293万円。電気自動車のe-208が、Allure 389.9万円、GT Line 423万円となっている。デリバリーについては、208が、8月下旬から9月、e-208は、10月頃を予定しているという。
プジョージャポンとしては、価格的には電気自動車の方が100万円以上も高いものとなっているが、所有にかかるコストをトータルすると両車はほとんど変わらないものとなっていると説明している。