2019年の86レースでシリーズチャンピオンを獲得するなど、ピカイチのドライビングテクニックを持つ橋本洋平さん。今回ピックアップしてくれた3台も、予想通り(?)、スポーツカーが並ぶ。その中でもトヨタ・GRヤリスは、購入一歩手前まで行ったほどお気に入りのようだ。




TEXT●橋本洋平(HASHIMOTO Yohei)

1台目:トヨタ・GRヤリス

WRC(世界ラリー選手権)でのホモロゲーションモデルとして生まれたGRヤリス。272psの1.6ℓ直3ターボを搭載し、前60:後40/前30:後70/前50:後50の3モードで前後駆動力配分を変更可能。6月30日までwebで事前予約を受け付けていたファーストエディションの価格は396万円〜だった。

コンパクトなボディに、これまたコンパクトな3気筒ターボを盛り込み、4WDで登場するヤリスGR4は、まだプロトタイプしか試乗していないが、駆動配分を選択してFRのような立ち振る舞いも可能にするところが好感触な一台。いま、ファーストエディションがネットで6月いっぱい予約可能だったが、思わずポチリとやってしまいそうだったくらい、惹かれている。




だが、本当に欲しいのはその競技仕様ベースであるRCというグレードだ。豪華装備を廃止して軽量に仕立て、ダートラやラリー、そしてジムカーナに対応しようとしたそのクルマが気になり、思わず購入サイトで質問したところ、こちらでは受け付けていませんとのこと。詳しくはディーラーでとの回答があった。それを見て思い留まったが、もしポチリとできるボタンがあったら買っていたかもしれない。

2台目:マツダ・ロードスター

1989年の初代登場以来、世界で愛され続けてきたロードスター。累計生産台数は100万台を超える。4代目となる現行型の価格は260万1500円〜。

衝突安全をはじめ様々な装備追加で車重が増すのが当然の流れ。けれども、いまだ昔と変わらない車重を続け、人馬一体を貫き通しているマツダの姿勢に共感できる一台だ。実は個人的に初代ロードスターを所有しており、それとガレージで並べて眺めていたいという想いがずっとある。初代から3台目まで全てを乗り継いだ経験があり、いまだ現行型のみ所有できていないこともあって、ロードスターコンプリートを目指したいこともあって、事あるごとに気になる存在だ。




最新型はブッシュやパワステ制御の見直しなど、着実に新型を果たして一体感を高めたところもお気に入りポイント。衝突試験をやり直してまで導入に漕ぎ着けたテレスコピック機構もあって、ドライビングポジションが適正化されたところも嬉しい。そろそろ買い時か⁉︎

3台目:日産GT-Rニスモ

2020年モデルのGT-Rニスモは、ルーフ、エンジンフード、フロントフェンダー、トランクリッドなどにカーボン素材を使用して、約10.5kgの軽量化を実施。重心点から遠い部位が軽くなったため、その数字以上に運動性能に与える効果は大きい。価格は2420万円。

かつて初期型を所有したことがあるが、いまだその味を忘れることが出来ない。強烈なトラクションとハイパワーを武器に、脳みそが後ろに持っていかれるかのような加速を示すこのクルマ。もう干支が一周するほど長きに渡って販売されているが、その最新型の頂点であるnismo仕様は、熟成と軽量化ぎ進み、欠点だった重さに対してきちんとした回答があった。まるでライトウエイトスポーツかのような一体感と、ハイパワーを手にしながらもしっかりと止められる性能を身につけたところが凄い。お値段は初期の頃の約3倍だから、なかなか現実味はないが、いつかはもう一度、自宅ガレージに収めたい。

■橋本洋平(はしもと・ようへい)




今はなきジェイズティーポ編集部に所属した事を皮切りに自動車雑誌業界に入り、その後フリーランスへ。レースもやる程の走り好きで、昨年は86レースのクラブマンエキスパートクラスでシリーズチャンピオンを獲得した。

あとどれだけクルマに乗れるだろうか。一度きりの人生ならば、好きなクルマのアクセルを全開にしてから死にたいもの。ということで、『乗らずに後悔したくない! 人生最後に乗るならこの3台』と題して、現行モデルのなかから3台を、これから毎日、自動車評論家・業界関係者の方々に選んでいただく。明日の更新もお楽しみに。(モーターファン.jp編集部より)

情報提供元: MotorFan
記事名:「 【毎日更新企画】人生最後の3台を選ぶ:トヨタ・GRヤリス/マツダ・ロードスター/日産GT-Rニスモ(橋本洋平)