カラビニエリとは正確には国家憲兵のことで、日本人には軍警察といったほうが理解しやすい。簡単に言えば、「イタリア軍に属する警察隊」のことで、軍と警察の双方の機能を有する。対テロ作戦やPKO活動なども担い、日本にあるイタリア大使館に常駐しているのもカラビニエリだ。
映画「007 慰めの報酬」の冒頭シーンで、ダニエル・クレイグの駆るアストンマーティンDBSとカーチェイスを繰り広げるカラビニエリ仕様のアルファロメオ159の姿を覚えている人も多いだろう。
そして個人的には「POLIZIA」車両よりも「CARABINIERI」車両のほうがイタリアではよく見かける気もする。まぁ、これはたまたまだろうけれど。
そんなイタリアの国歌憲兵に採用されたジムニーは、もちろん日本では「ジムニー シエラ」と呼ばれているワイドフェンダー仕様だ。
イタリアは狭い旧市街が多い。シチリア州やカラブリア州などは、あまりに道が狭いためにパンダと500しか走っていないほどだ(誇張あり)。一方でヴァッレダオスタ州やトレンティーノ アルト アディジェ州などは、冬はとても雪深くなる。そんなイタリアだから現行のジムニーはとても人気が高いらしいのだが、それは国家憲兵にとっても同じだったわけだ。
今回の納入によってイタリアの国家憲兵には10台のジムニーと55台のイグニスが配備されることになる。ただ、日本のスズキから国家憲兵に直接販売されたのは今回が初めてだという。
なるべくお世話にはならないようにしたいけれど、街で見かけたら思わず記念写真を撮ってしまいそうだ。