さらには、ルーフやピラーの色分けを容易にする工夫など、ユーザーには関係ないところではあるがなるほどと思える合理化も図られているなど、興味深いモデルでもある。
初代ロッキーの誕生は1990年。ラダーフレームを持つ1.6ℓのSUVで、パートタイム4WD(フルタイム4WDも存在したが…)をベースとしていた。当時タフトが大型化する中にあって、手軽に扱えるクロカン4駆として登場。スタイルはジープやランドクルーザー、ジムニーに並ぶ、堅牢さを湛えたものだった。
初代ロッキーの世界観を加味した手軽なSUV
今回のロッキーの再登場の中で、この初代ロッキーの幻影がなかったとはいえないだろう。新型ロッキーを形作るキーポイントが、全長わずか4m未満のいわゆるBセグメントとなる小さなボディながら、堂々たる佇まいを持っていることだ。ここに先代ロッキーの面影を感じられる気がする。
「気がする」と微妙な表現をしたのは、ダイハツとしても先代ロッキーのカテゴリーへの参入を目指したわけではないということ。現在盛り上がりつつあるコンパクトSUVの中で、どのような立ち位置にあるべきかを考えたときに、初代ロッキーの世界観がシンクロしたといえる。
信頼性抜群ながら決して退屈ではない形
ここを絞り込むことと、リヤドアのウインドウをキックアップすること、その流れから荷室周りを重く見せずに軽快なテイストが加味されている。
信頼性の高い、力強い印象ながら決して退屈に見せないのは、こうしたスポーティや軽快な要素をエッセンスとしてバランスさせているためだろう。
Bセグメントも、ダイハツにとっては上級車。その意識が、これからのダイハツの登録車戦略の大きな鍵であり、また強みでもあると思う。