ガソリンエンジンでの燃焼は火炎伝播で広がる。膨張行程全体で見れば発生する圧力は刻々と変わっている。これを「圧力はつねに一定」と考えて、その累積で示すから「正味」という表現が入る。この数字は馬力でもトルクでもなく圧力値である。排気量の大小もDOHCかどうかも関係ない。だから、エンジンの基本的な素性を知るときに役立つ。
計算は「軸有効仕事量÷行程容積」であり、ここでいう1サイクルの仕事量は「MEP×行程容積」だから、MEPを算出するには出力(W)×出力ストローク毎の燃焼回数(オットーサイクルは2)を行程容積×回転数で除する。エンジン設計現場では重要な数値である。