収束してきたとはいえ、いまだ混乱が続くサプライチェーンの状況のなか、すべてのパートナーやサプライヤーとの絶え間ない緊密な対話によって、生産を継続的に続けることを目指していく。トースランダ工場の生産台数は、市場の需要だけでなく、既存の顧客受注の状況により調整される。
ボルボ・カーズのホーカン・サムエルソン代表取締役社長兼CEOは、次のように述べている。
「私たちには、状況が許せば事業を再開する責任があります。私たちが社会のためにできる最善のことは、安全な方法で会社を再開する方法を見つけることであり、それによって人々の健康と仕事を守ることです」
月曜日からのスタッフの復帰に先立ち、すべての施設は入念に清掃され、また衛生管理と清掃作業が強化されて、メインエントランスでは体温および血中酸素濃度の自主検査が実施される。
ここ数週間、関係者によってトースランダ工場のすべての作業現場を健康と安全の観点から見直し、ソーシャルディスタンス(社会的距離)が保てない作業現場については、他の防護的措置を講じている。
また、スウェーデンのオフィスでは、すべての会議室、オフィススペース、社員食堂のレイアウトが適切に調整。例えば、デスクを適切な距離に配置したり、会議室や社員食堂の人数を制限したりすることで、ソーシャルディスタンスを保つことができるようになっている。
その他の製造拠点については、ベルギーのゲント工場が4月20日に生産量を減少して再開。また米国サウスカロライナ州のチャールストン工場は5月11日に再開する予定だ。スウェーデンのショヴデにあるエンジン工場とオロフストロームにある車体部品製造工場は、週単位での生産計画を継続し、他工場のニーズに合わせて対応していく。
世界各地の従業員は引き続き現地のガイドラインに従うが、ボルボ・カーズの安全衛生担当者は、スウェーデンの各施設での実施例から学んだことを、他の場所でも同様に実施できると期待を寄せている。
ボルボ・カーズは、今年初めにスウェーデン政府が導入した支援策を引き続き利用し、ほとんどの従業員の労働時間を継続的に短縮していく。この政府による支援によって、ボルボ・カーズは市場が安定するまで基本的に健全な事業運営が可能になるとしている。