トヨタの人気SUV、ハリアーが7年ぶりにフルモデルチェンジした。発売予定は6月だ。このハリアーの登場でトヨタのSUVラインアップはさらに強固なものになった。サイズ、そして価格でトヨタのSUVラインアップを整理してみよう。

大きすぎない、それでいて流麗なスタイルがハリアーの魅力

トヨタ新型ハリアー 全長×全幅×全高:4740mm×1855mm×1660mm ホイールベース:2690mm

 スポーティさとラグジュアリーさを兼ね備えた都市型高級クロスオーバーとして高い人気を維持し続けてきたトヨタ・ハリアーの新型が発表された。またしても人気が出そうなスタイリッシュなデザインとサイズ感だ。新型ハリアーは、TNGAのGA-Kプラットフォームを使う。つまり、カムリやRAV4と同じプラットフォームの上に構築されているわけだが、RAV4とはまったく違うクルマに見えるし、ターゲットとしているユーザーも別に設定していることが見てとれる。




 さて、いまトヨタが日本国内で販売しているSUVは


トヨタ・ブランド:ライズ/C-HR/RAV4/ハリアー/ランドクルーザープラド/ランドクルーザー/ハイラックス


レクサス・ブランド:UX/NX/RX/LX


 と計11車種となっている。海外ではさらに多くの(もっと大型のモデル)の車種を用意しているのだから、さすがトヨタと脱帽するほどのラインアップだ。


 ここでは、ラダーフレームを持つクロカン系を除いたSUVについて考えていこう。




 では、まずサイズの小さい方がから順番に見ていく。

トヨタ・ライズ

トヨタ・ライズ(2020年〜)


価格◎167万9000〜228万2200円


全長×全幅×全高:3995mm×1695mm×1620mm


ホイールベース:2525mm


プラットフォーム:DNGA A


パワートレーン:1.0ℓ直3ターボ+CVT

トヨタC-HR

トヨタC-HR(2016年〜)


価格◎236万7000~295万5000円


全長×全幅×全高:4385mm×1795mm×1550mm


ホイールベース:2640mm


プラットフォーム:TNGA GA-C


パワートレーン:1.2ℓ直4ターボ+6MT&CVT/1.8ℓ直4+THSⅡ

レクサスUX

レクサスUX(2018年〜)


価格◎397万2222円~544万9074円


全長×全幅×全高:4495mm×1840mm×1540mm


ホイールベース:2640mm


プラットフォーム:TNGA GA-C


パワートレーン:2.0ℓ直4+CVT/2.0ℓ直4+THSⅡ

トヨタRAV4

トヨタRAV4(2019年〜)


価格◎265万6500~388万8500円


全長×全幅×全高:4610mm×1865mm×1690mm


ホイールベース:2690mm


プラットフォーム:TNGA GA-K


パワートレーン:2.0ℓ直4+CVT/2.5ℓ直4+THSⅡ

レクサスNX

レクサスNX(2014年〜)


価格◎450万7000円~608万8000円


全長×全幅×全高:4640mm×1845mm×1645mm


ホイールベース:2660mm


プラットフォーム:MCプラットフォーム


パワートレーン:2.0ℓ直4ターボ+6AT/2.5ℓ直4+THSⅡ

トヨタ新型ハリアー

トヨタ・ハリアー(2020年~)


価格◎未発表


全長×全幅×全高:4740mm×1855mm×1660mm


ホイールベース:2690mm


プラットフォーム:TNGA GA-K


パワートレーン:2.0ℓ直4+CVT/2.5ℓ直4+THSⅡ




旧価格帯◎304万4100円〜465万9600円

レクサスRX

レクサスRX(2015年〜)


価格◎513万円~796万円


全長×全幅×全高:4890mm×1895mm×1710mm


ホイールベース:2790mm


プラットフォーム:Kプラットフォーム


パワートレーン:2.0ℓ直4ターボ+6AT/3.5ℓV6+THSⅡ

 全長4m切りのライズ(ダイハツ・ロッキー)から4890mmのレクサスRXまで車両の全長900mmの間に7モデルも用意している。


 さらにいえば、新世代技術基盤であるTNGA(のダイハツ版DNGA)にほど切り替わっているのもすごい。レクサスNXとRXだけがTNGAではないが、もっともデビューが古いNXでも2014年だから、トヨタのSUVラインアップがフレッシュな印象なのは当然と言える。そしてこれも当然なのだが、エントリーSUVのライズを除いて、すべてハイブリッド・パワートレーンとコンベのガソリンエンジンの2本立てパワートレーンを用意しているのもトヨタらしい。とにかく、盤石の構えだ。


 次ページでは、もう少し詳しく見ていこう。

 こうしてサイドビューを並べてみると、まさに「全長10cm違い刻みで車種を設定しているんじゃないか」と思うほど、緻密な計算によってサイズも決められている。新型ハリアーはレクサスNXより大きくRXより小さいサイズを担う。トヨタのモノコック系SUVではもっとも大きいのがハリアーになる。


 ライズからRXまで全長順に書くと


3995ー4385ー4495ー4610ー4640ー4740ー4890mmとなる。




 別の表で整理してみるとこうなる。

 表では、ランドクルーザーやハイラックス、レクサスLXなども記載したが、じつに細かく車種設定されているのがわかる。


「ほぼ完璧なトヨタ/レクサスのSUVラインアップ」と書いたが、この「ほぼ」にあたるのが、この表でよくわかるだろう。




 そう。ライズとC-HRの間に空白があるのだ。


 下の記事にあるように、トヨタはここもきっちり埋めてくる。国内では絶好調のライズと独自のポジションを確立したC-HRの間に新車種が入る余地があるか議論が分かれるところだが、トヨタは準備を怠らない。欧州で生産するBセグSUVの国内投入がないとは限らないのだ。

 登場する予定のBセグSUVが入るとこうなる。

上からライズ/新BセグSUV/C-HR/RAV4

 今度は、このトヨタ/レクサスSUV7モデルの価格帯を見ていこう。エントリーグレードから最上級グレードがどの範囲に入るかを図にしてみた。


 新型ハリアーの価格は未発表なので、先代の価格を入れてある。

 こうしてみると、じつに見事に価格設定もしてあることがわかる。現行(新型から見ると先代)は304万4100円〜465万9600円だったのだが、新型もほぼ同じ価格帯になるとこの図から予想できる。トヨタ・ブランドとレクサス・ブランドは明確に価格帯が被らないように変えてある。とすると、新型ハリアーのトップグレードは先代より安くなるか、といえばそんなこともないだろう。次期NX、RXが少し上級(高価格)シフトすれば完成だ。


 とはいえ、この図からも、やはり「ライズとC-HR」の間に隙間があるように見える。このあたりも今後のトヨタの動きに注目していきたい。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 新型ハリアー登場で盤石のトヨタSUVラインアップ トヨタSUV戦略を読み解く