さて、いまトヨタが日本国内で販売しているSUVは
トヨタ・ブランド:ライズ/C-HR/RAV4/ハリアー/ランドクルーザープラド/ランドクルーザー/ハイラックス
レクサス・ブランド:UX/NX/RX/LX
と計11車種となっている。海外ではさらに多くの(もっと大型のモデル)の車種を用意しているのだから、さすがトヨタと脱帽するほどのラインアップだ。
ここでは、ラダーフレームを持つクロカン系を除いたSUVについて考えていこう。
では、まずサイズの小さい方がから順番に見ていく。
全長4m切りのライズ(ダイハツ・ロッキー)から4890mmのレクサスRXまで車両の全長900mmの間に7モデルも用意している。
さらにいえば、新世代技術基盤であるTNGA(のダイハツ版DNGA)にほど切り替わっているのもすごい。レクサスNXとRXだけがTNGAではないが、もっともデビューが古いNXでも2014年だから、トヨタのSUVラインアップがフレッシュな印象なのは当然と言える。そしてこれも当然なのだが、エントリーSUVのライズを除いて、すべてハイブリッド・パワートレーンとコンベのガソリンエンジンの2本立てパワートレーンを用意しているのもトヨタらしい。とにかく、盤石の構えだ。
次ページでは、もう少し詳しく見ていこう。
こうしてサイドビューを並べてみると、まさに「全長10cm違い刻みで車種を設定しているんじゃないか」と思うほど、緻密な計算によってサイズも決められている。新型ハリアーはレクサスNXより大きくRXより小さいサイズを担う。トヨタのモノコック系SUVではもっとも大きいのがハリアーになる。
ライズからRXまで全長順に書くと
3995ー4385ー4495ー4610ー4640ー4740ー4890mmとなる。
別の表で整理してみるとこうなる。
表では、ランドクルーザーやハイラックス、レクサスLXなども記載したが、じつに細かく車種設定されているのがわかる。
「ほぼ完璧なトヨタ/レクサスのSUVラインアップ」と書いたが、この「ほぼ」にあたるのが、この表でよくわかるだろう。
そう。ライズとC-HRの間に空白があるのだ。
下の記事にあるように、トヨタはここもきっちり埋めてくる。国内では絶好調のライズと独自のポジションを確立したC-HRの間に新車種が入る余地があるか議論が分かれるところだが、トヨタは準備を怠らない。欧州で生産するBセグSUVの国内投入がないとは限らないのだ。
登場する予定のBセグSUVが入るとこうなる。
今度は、このトヨタ/レクサスSUV7モデルの価格帯を見ていこう。エントリーグレードから最上級グレードがどの範囲に入るかを図にしてみた。
新型ハリアーの価格は未発表なので、先代の価格を入れてある。
こうしてみると、じつに見事に価格設定もしてあることがわかる。現行(新型から見ると先代)は304万4100円〜465万9600円だったのだが、新型もほぼ同じ価格帯になるとこの図から予想できる。トヨタ・ブランドとレクサス・ブランドは明確に価格帯が被らないように変えてある。とすると、新型ハリアーのトップグレードは先代より安くなるか、といえばそんなこともないだろう。次期NX、RXが少し上級(高価格)シフトすれば完成だ。
とはいえ、この図からも、やはり「ライズとC-HR」の間に隙間があるように見える。このあたりも今後のトヨタの動きに注目していきたい。