REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
PHOTO●てつかたかし(TETHUKA Takashi)
取材協力●ファルコン ※4MINIチャンプ7より(2004年発売)
2001年(平成13年)、CB50系の血統を継ぐ、シリンダーヘッド&シリンダーを上方にレイアウトした、通称“縦型”の4ストローク50ccエンジンを搭載した「エイプ」がリリース。
翌年の2002年(平成14年)、縦型4ストローク100ccエンジンを積んだ「エイプ100」がデビュー。国際サーキット『ツインリンクもてぎ』本コースでは、エイプ100をメインにした7時間耐久レース『DE耐』が大ブレイク。仲間でワイワイと楽しく走れるこのレースは、レースに馴染みのない一般ユーザーにも、ミニバイクレースを身近なものとした。
また、同年には国際サーキット『鈴鹿サーキット』本コースで、4ストの排気量~130ccエンジンを対象(オープンクラス)にした『鈴鹿Mini-Moto 4時間耐久ロードレース』が開催。
当時、『鈴鹿Mini-Moto 4時間耐久ロードレース』のオープンクラスは、前後12インチホイールであれば、フレームは自由だった(DE耐はフレームの変更が不可だった)。その結果、NSR50/80用フレームに加工を施し、フルチューンされた縦型エンジンを搭載する超過激なカスタムが定番となり、「RCV-mini」というキットも登場。このキットを組み込んだNチビ改が、写真のカスタムだ。
NSR50/80用フレーム、12インチホイール、正立フォーク、スイングアームなどは、元々パワフルなNチビの2ストエンジン用に開発されているため、4ストローク125ccフルチューンエンジンにも耐えうる、高い剛性力を誇っている。RCV-miniに搭載できるエンジンは、エイプ50/100、XR、XE、CB、CRFなどのホンダ縦型。
RCV-miniは2004年当時、鈴鹿サーキットで開催のワンデーヒーローズ、つま恋カートコースでのオープン30分耐久、まるち杯ミニバイクレースなどでも活躍した、美しさと速さを兼ね備えたレーシングマシンだ。
同車はスタイル、クオリティ、サーキットを楽しく走るための基本性能を重視。NSR50/80のフレームと足周りをベースに、独自のフレーム加工を実施して、エイプ100用の縦型エンジンを搭載。これにレプソルカラーにあしらった、RC211V風の外装バーツを各種装着している。
「RCV-miniキット」は、FRP製黒グルコートのアッパーカウル、アンターカウル、シートカウル、フェンター、カウル収り付け専用ステー、センター出しのフルチタン製レーシングメガホンマフラー、フレーム加工が1セット。NSR50/80/mlniのフレームや足周りに加え、ホンタ縦型エンジンを安価で入手すれば、“本家”のNSF100を購入するよりも、安上がりで縦型エンジン搭載のレーサーが完成する。
かつてレブリカ4MINIといえば、走ることなく、室内に鎮座ましましている、いわゆる“床の間バイク”としてのメージが強かった。しかしこのRCV-miniは、これとは対照的に、「バイクはアグレッシブに走ってナンポでしょ!」を地でいく超行動派。
RCV-mlnlは、いろんな楽しみが凝縮されている。まずは自分でエンシン等を整備して楽しむこと。次にそれを操って楽しむこと。そして走った後は磨いて楽しむこと。最後はヒカビカになったマシンを見て楽しむこと。RCV-mlniは、NSRでもエイブでもない、新しいジャンルのマシンだったわけだ。
メーターは高機能なデジタル式をチョイス。タコメーター、スピードメーター、油温計、ラップタイムをデジタル表示。RCV-mini専用の取り付けステーで装着。シフトアップタイミングを知らせるフラッシュも内蔵されており、オーバーレブ防止にも効果的。メモリー機能も装備されており、走行後には様々な情報が確認できる。