1.5ℓエンジンにTHSⅡ(トヨタ・ハイブリッド・システム)を組み合わせたというところは、新型ヤリスハイブリッドと同じだが、新型ヤリスはプラットフォーム(TNGA GA-B)、エンジンから一新されている(アクアは直4の1NZ-FXE型、ヤリスは新開発直3のM15A-FXE型)。
とはいえ、ロングセラーになっているだけあって、燃費や価格のバランスがいいクルマだ。
アクアでもっとも廉価なLグレードが181万8300円。
新型ヤリスでもっとも廉価なハイブリッドXが199万8000円
新型フィットe:HEVでもっとも廉価なe:HEVベーシックが199万7600円
つまり、アクアはヤリス、フィットより18万円ほど安いのだ。
新型ヤリスが発売されたいま、現行アクアの販売がいつまで続くのかは不明だが、現状、もっとも手軽に買えるフルハイブリッド車である。
アクアとヤリスのホイールベースは、2550mmで同寸。全長はアクアの方が11センチも長いのだ。そしてアクアの方が全高も低い。つまり、アクアの方が低く長いのだ。
これに対して新型フィットe:HEVは、アクアとヤリスの中間の長さ、そして3モデルでもっとも車高が高い。
画角が違うので比較は難しいが、アクアとヤリスを重ね合わせてみよう。
室内の広さは、必ずしもカタログデータと体感では一致しないが、明らかに新型ヤリスは全席優先で後席は狭そうだ。
アクア:室内 長2015mm 幅1395mm 高1175mm
ヤリス:室内 長1845mm 幅1430mm 高1190mm
フィット:室内 長 1955mm 幅1445mm 高1260mm
室内長ではアクアがもっとも長いが、幅と高さを考えると、新型フィットがもっともルーミーな空間を持っていると言えそうだ。
燃費で、アクアを最新のヤリスとフィットと比べるのはハンデが大きい。が、比べてみよう。
トヨタ・アクア JC08モード燃費:38km/ℓ
である。
新型ヤリスハイブリッドのモード燃費は驚異的だ。
HYBRID X(FF)
WLTCモード:36.0km/ℓ
市街地モード 37.5km/ℓ
郊外モード 40.2km/ℓ
高速道路モード 33.4km/ℓ
FIT eHEV BASIC FF
WLTCモード:29.4km/ℓ
市街地モード 30.2km/ℓ
郊外モード 32.4km/ℓ
高速道路モード 27.4km/ℓ
となっている。アクアのみ、JC08モードだから直接比較はできないが、燃費だけをとりあげれば
新型ヤリスハイブリッド
トヨタ・アクア
新型ホンダ・フィットe:HEV
という順に落ち着きそうだ。デビューから長い時間を経ても高い燃費性能を有するのは、THSⅡの基本的の性能の高さによるものだろう。
とはいえ、ここまで燃費性能が高いと、年間1万km程度の走行では燃料代で大きな違いはない。価格と使い方、最新のコネクティビティ機能が必要か、などなどを考えて選ぶことになるだろうが、モデル末期のアクア、きっと値引きも期待できそうだ。新型のヤリス、フィットに基本性能では太刀打ちできないが、お買い得感でポイントを稼ぐかもしれない。