現行型発表:15年7月(マイナーチェンジ 18年9月)
JC08モード燃費:28.8㎞/ℓ ※ハイブリッド車
REPORT●塚田 勝弘(TSUKADA Katsuhiro)
PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)
MODEL●森脇 亜紗紀(MORIWAKI Asaki)
※本稿は2019年12月発売の「2020年 最新ミニバンのすべて」に掲載されたものを転載したものです。
■主要諸元 ハイブリッドG Cuero
全長×全幅×全高(㎜):4260×1695×1675
室内長×室内幅×室内高(㎜):2535×1470×1280
ホイールベース(㎜):2750
トレッド(㎜)前/後:1480/1480
車両重量(㎏):1380
エンジン種類:直列4気筒DOHC+モーター
総排気量(㏄):1496
エンジン最高出力(kW[㎰]/rpm):54[74]/4800
エンジン最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):111[11.3]/3600-4400
モーター最高出力(kW[㎰]):45[61]
モーター最大トルク(Nm[㎏m]):169[17.2]
燃料タンク容量(ℓ):42(レギュラー)
トランスミッション形式:電気式無段変速機
駆動方式:FF
タイヤ・サイズ:185/60R15
最小回転半径(m):5.2
JC08モード燃費(㎞/ℓ):28.8
車両本体価格:257万9500円
ボディカラー:ブラックマイカ×イエロー
オプション装備:スーパーUVカット&シートヒーターパッケージ(4万7000円)/パノラミックビュー対応ナビレディパッケージ(5万1700円)/T-Connectナビ9インチモデル〈NSZT-Y68T〉/特別塗装色(5万5000円)/他
全長は短めだが、全高の高さを活かした開口部と、低い底面と座面の高さにより1列目と2列目の乗降性は良好だ。スライドドアの狭い場所での乗り降りも楽にできる。3列目は2列目をタンブルさせて乗り降りする。コンパクトミニバンであることを考えると健闘しているが、足元も頭上も窮屈に感じる。
マイナーチェンジを受けたホンダ・フリードと全長は同値で、ホイールベースは10㎜長い。逆に全高は35㎜低く、限られたボディサイズで3列シートを成立させているのは、両モデル共通の美点といえるだろう。シエンタの1列目は、少しアップライトな乗車姿勢になる。底面、荷室の開口高が低く、乗降性や積載性の高さを感じさせるパッケージだ。
1列目:運転姿勢はシートスライドとリクライニング、リフターに加えて、チルトステアリングで行なうが、あまり上側には可動しない。長身の場合、少し低く感じられるだろう。シートサイズはやや小ぶりだが、前後と左右のウォークスルーにも対応する。
1列目は少しアップライトな乗車姿勢になるが、2列目は床から座面までの高さが低く、大人だと足を前に投げ出すような姿勢になる。3列目はシートサイズ、頭上と膝前空間はそれなりで、身長171㎝の筆者なら短時間ならば使えるレベル。
3列目シートの背もたれを起こした状態だと奥行きは短く、手荷物がいくつか積める程度。3列目は2列目下に潜り込ませるように格納させるため、フラットに拡大できる。2列目はシートを折り畳むタンブル式で、荷室の奥行きをさらに稼げるようになっている。開口高が低く、開口部と床面との段差もほとんどないため、大きな荷物の出し入れもしやすい。
6人と7人乗りを設定し、3列目をダイブダウンさせて、2列目を畳んだタンブル状態が最大時になる。最大時ならサイズによるが、MTBなどの自転車も2台飲み込む。ほかにも、片側だけ3列目を格納し、2列目をタンブルさせれば、3名が乗車しながら大きな荷物や超尺物の積載にも対応するなど、コンパクトでも多彩なアレンジを用意する。
グレードは安全装備を充実させ、両側のスライドドアに電動機能を備える「G」を推奨する。ハイブリッドの価格は、自然吸気エンジンよりも約37万円高いが、税額の違いで約34万円に縮まる。この実質差額を燃料代の節約で取り戻すのに14万㎞を要する。自然吸気エンジンも燃費が良いためだ。