1月24日、日産自動車と奈良日産自動車販売、そして三郷町の3者は「電気自動車を活用した地域課題解決に関する包括連携協定」を締結したと発表した。これを含めて日産はこれまで、19の自治体や企業との災害連携協定を結んでおり、関西地域における「包括連携協定」は、今回が初めてとなる。

EVの普及促進を通じて温室効果ガスの削減実施に加え、災害対策の強化と地域課題の解決に取り組む

 今回締結した協定の内容は、電気自動車の普及促進を通じて、温室効果ガスの削減を実施するほか、災害対策の強化と地域課題の解決に取り組むことを目的としている。

 日産自動車は、ゼロ・エミッション社会の実現と、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月より日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』を発表。その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力し、EV普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいる。




 一方で三郷町は、SDGs(持続可能な開発目標)に向けて優れた取り組みを提案する自治体として内閣府により認められ、令和元年7月1日に「SDGs未来都市」として選定された。人にもまちにもレジリエンスなスマートシティSANGOの実現を目指し、環境負荷低減、災害対策強化、地域課題解決に対して積極的に取り組んでいる。その取り組みの一環として、予約制乗合タクシーでのEV(日産リーフ)の導入や、避難所などへの太陽光・蓄電池の設置を進め、脱炭素社会及び災害にも強いまちづくりを推進している。

 日産自動車が推進する『ブルー・スイッチ活動』、そして三郷町の「スマートシティSANGO」実現に向けた活動について双方の取り組みにお互いが賛同し、本協定の締結を行う運びとなった。

●協定の概要




1. 環境対策:電気自動車(EV)の普及促進による環境負荷低減


三郷町と日産自動車は、EVの環境負荷低減及び、災害時の電力供給活用を町民へ積極的にアピールすることにより、普及促進に努める。また、三郷町が実施する、予約制乗り合いタクシー車両のEV導入を促進する。




2. 防災・災害対策:災害時における電気自動車(EV)活用による町民の安全確保


日産自動車、奈良日産自動車は、三郷町で災害発生を起因とする停電が発生した際または災害が起こりうる状況で町からの要請があった際に、三郷町が指定する避難所に、奈良日産自動車の店舗に配備しているEV(日産リーフ)を無償で貸与する。なお、電力の復旧が遅いと想定される地域の避難所での電力供給を想定している。三郷町、日産自動車、奈良日産自動車が協力してEVからの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、町民の生命及び身体の安全を守る。




3. 安全対策:交通事故低減


高齢者ドライバーの安全対策の必要性に関する広報活動や、交通事故低減のための先進安全技術の啓蒙活動の推進。




4. 交通弱者対策:高齢者など、交通弱者に対しての対策検討


交通弱者のための各種モビリティソリューションの検討。




5. 地域活性化対策:電気自動車(EV)関連のイベント協力


三郷町と日産自動車は、町のイベントで使用する電力をEVから供給することで、電気自動車は「動く蓄電池」としての活用を町民へ積極的にアピールし、環境意識向上を目指す。また、平常時のイベント開催によるEV普及促進のための出展や、EVを用いての電力供給PRを行う。さらに日産の環境教育プログラム「わくわくエコスクール」を通し、共同で環境への啓蒙活動を実施することを検討する。

 三郷町は、環境、防災体制の整備に向けて積極的に取り組んでおり、今年度は予約制乗り合いタクシー事業において「日産リーフ」とV2Hを導入している。今後も引き続き計画的なEV導入を検討しており、来年度はパワームーバ―(可搬型給電器)1台を導入する予定だ。さらに令和2年4月よりEVを対象とするV2H補助金制度及び災害時協力登録制度施行を進めていく。




 日産自動車は、人々の生活を豊かに、というビジョンのもと、「ニッサン インテリジェント モビリティ」を推進し、独自性にあふれ、革新的なクルマやサービスを提供するとともに、「ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)」「ゼロ・フェイタリティ(交通事故による死亡・重傷者数ゼロ)」に取り組んでいる。そして、『ブルー・スイッチ』の推進に加え、EVというクルマの販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のために、EVの生み出す新たな価値を世界に発信し続け、よりよい社会づくりへの貢献を目指す。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 日産自動車が三郷町と「電気自動車を活用した包括連携協定」を締結! 災害時には避難所にリーフを無償貸与