現行型発表:15年1月:(一部改良 19年12月)
WLTCモード燃費:11.4㎞/ℓ ※「V」「X」「Z」のFF/アイドリングストップ装着車
REPORT●小林秀雄(KOBAYASHI Hideo)
PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)
MODEL●藤木 由貴(FUJIKI Yuki)
※本稿は2019年12月発売の「2020年 最新ミニバンのすべて」に掲載されたものを転載したものです。
■主要諸元 ZG
全長×全幅×全高(㎜):4935×1850×1935
室内長×室内幅×室内高(㎜):3210×1590×1400
ホイールベース(㎜):3000
トレッド(㎜):前/後 1575/1580
車両重量(㎏): 2110
エンジン種類:V型6気筒DOHC
総排気量(㏄):3456
最高出力(kW[㎰]/rpm):221[301]/6600
最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):361[36.8]/4600-4700
燃料タンク容量(ℓ):75(プレミアム)
トランスミッション形式:8速AT
駆動方式:FF
タイヤ・サイズ:235/50R18
最小回転半径(m):5.8
WLTCモード燃費(㎞/ℓ):9.9
車両本体価格:526万円
ボディカラー:バーニングブラッククリスタルシャインガラスフレーク
オプション装備:T-Connect SDナビゲーションシステム+JBLプレミアムサウンドシステム+BSM+RCTA+インテリジェントクリアランスソナー(72万1600円)/12.1型リヤシートエンターテインメントシステム(販売終了)/特別塗装色(3万3000円)/他
撮影車は300㎰をオーバーする3.5ℓ V6エンジンを搭載するグレードだが、エアロ専用のレッドリングメーターは、そのハイパフォーマンスを直感的に伝えてくれる。見晴らしは良いがノーズ位置は把握しづらく、AピラーやDピラーも太く、死角は多い印象だ。
座面位置が高いこともあって乗降性が良くは見えないが、前後ともフロアより10㎝ほど低い位置にステップがあり、各ピラーにアシストグリップも用意されているため、スマートに乗降できる。2列目はキャプテンシートだが、開口部も十分に確保され3列目のアクセスルートはしっかり確保されている。
フロントバンパー左右に配されたスリット形状や大きなアンダーグリル開口部が、いかにもヴェルファイアらしいパフォーマンスを感じさせるスタイリングだ。スライドドアの開口幅は780㎜を確保し、スマートキーを持って近付くと自動的にスライドドアが開く機能も装備。なお、最低地上高のカタログ値はハイブリッド車に対してガソリン車の方が低くなっている。
1列目:8ウェイ電動調整機能付きドライビングシートを幅広く標準装備。最上級グレードはプレミアムナッパレザーシートを採用するが、撮影グレードは合成皮革となっている。それでも張りのある表皮感はヴェルファイアの車格に相応しいものだ。
両側アームレストを備えた「エグゼクティブパワーシート」はソファ感覚。500㎜のスライドが可能で、足を完全に伸ばすことができる。最大830㎜のスライド機能を持つリラックスキャプテンシートも設定されている。3列目は中央にもヘッドレストを用意する。
3列目を使用時にはラゲッジの余裕はほとんどないが床下収納が148ℓと広く、トランク的に活用すれば日常的には困らないだろう。中央の写真は2列目を最後端にした状態、これだけの奥行きがあれば4名乗車での旅行などを想定しても十分に荷物を載せることができるだろう。2列目は畳めないが、シート間の隙間を利用すれば2.4m弱の長尺物に対応できる。
8人乗りの2列目ベンチシート仕様を含めて、全部で4種類の2列目シートが設定されている。「Z(7人乗り)」の助手席は1160㎜のスライド機構を持ったスーパーロング仕様で、これはガソリン車だけに設定されるものだ。ゆったり乗るのであれば、6名乗車がベター、それなりに荷物も搭載することを考えると4名乗車がお薦めというパッケージだ。
財布に余裕があるなら迷いなく走りが楽しい3.5ℓを選択する。2列目シートに豪華なエグゼクティブラウンジシートが用意されるのもヴェルファイアの特徴ではあるが、じっくり乗り比べてみると実はエグゼクティブパワーシートの方が座り心地がしっかりしていてロングドライブでの疲れが少ない。よって「VL」が最適の選択肢だ。