1618ccで最高出力200kW/370Nm。BMEPで計算してみると28.72bar。驚愕の数字である。
急速燃焼コンセプトは継承しつつ、「ほぼスクエア」という内径行程寸法にしたことから、吸気ポートを工夫するなどして急速燃焼を実現した。カットモデルをご覧いただくとお分かりのように、これまでのダイナミックフォースエンジンと同様のストレートポート構造としていて、これにもまたレーザークラッドバルブシートが寄与しているのかと思ったら、今回のエンジンには使用していないという。「ひょっとするとこのエンジンはレースに使われるかもしれなく、あとから打ち替えられる通常のシートのほうがいいという判断です」と説明してくれた。
とはいうものの切り込むような急角度のポート形状は通常のバルブシートでは難しいというのがレーザークラッドバルブシートの美点だったはずで、ならばどうなっているのかとよく観察してみると、どうやら機械加工がなされている様子。パフォーマンスのために手間を惜しまずというのがよくわかる構造で、しかしコスト上昇を最小限に抑えるために「ボールエンドミルでひとさらい」で済む設計としている。