ところが、ふたを開けてみれば、レーダー式を導入したのは埼玉県警と岐阜県警の2県のみ。次々と増えていく導入都道府県はすべてレーザー式を導入し、その後、北海道、香川県、千葉県がレーダー式をチョイスしたものの、結局は、ほぼ東京航空計器㈱の一人勝ちという状況になってしまっているのだ。
捉えようによっては、なんだかきな臭い話ではある。
もちろん、レーザー式には、機器を扱うにあたってレーダー式には必要とされる無線免許が不要というメリットがあり、それが選択率偏重の原因であるという説もあるが、某計測器メーカーの話では、警察官はほぼ強制的に無線免許を取得させられるため、ほとんどが免許を持っているということだ。つまり、免許不要というのは決定的なメリットとはならないのでは? ということになる。しかも、価格は明らかにレーダー式の方が安い(レーダー式:600~900万円 レーザー式:1,000万円)のにも関わらずだ。
が、その実態は、どう見てもレーザー式偏重としかいいようがない。事実、各都道府県(警)の入札の仕様書を見ても、レーダー式という競合があるにも関わらず「レーザー式等」といういかにも「欲しいのはレーザー式ですよ」といった感じの文章が並んでいる場合があるし、当初からレーザー式以外には目もくれず、いわゆる資格さえあればだれでも参加できる一般入札が行われないケースもある。果たして、警察庁が暗に「レーザー式」購入を指示しているのか、それとも両社の営業力の差なのか? まさかとは思うが、無線免許を持っていない一般人でも取り扱えるように、つまり、駐車違反同様、速度取り締まりの民間委託への布石である可能性も考えられないわけではない。その辺は、今後、さらに調査を進めてみたい。
いずれにしても、残り9県となった未導入県にも、今年中にいずれかの機種が配備されることに、まず、間違いはない。茨城県、鹿児島県あたりが、次の有力候補だ。