頭の位置はどこへ？｜ケニー佐川の「楽テクBIKE塾」 ライディングフォーム７つのポイント②
ライディングスクール講師として豊富な実績を持つケニー佐川が、楽に楽しく安全にバイクを操るためのコツを記事と動画で分かりやすくアドバイス！バイク初心者はもちろん、リターンライダーからベテランまで目からウロコの楽ネタ満載です。今回のテーマは「頭の位置」について！
REPORT●ケニー佐川（SAGAWA Kentaro）
PHOTO●星野耕作（HOSHINO Kousaku）／山田俊輔（YAMADA Shunsuke）
MOVIE●倉田昌幸（KURATA Masayuki）
「頭」はバイクを操るための中枢パーツ
ライディングフォームの中で意外と意識されないのが「頭の位置」です。頭の中には人間の感覚を司る脳があります。バイクを操る上で最も重要な中枢器官の置き場所だからこそ、頭の位置を意識していただきたい訳です。
ステアリング軸に頭を近づける
さて頭の位置ですが、まずは着座位置と同じように車体のセンターにあることが基本。通常は上体を起こしたリラックスした姿勢で構いませんが、よりスポーティに走りたいときや速度域が高い場合は、上体の前傾を強めるとともに頭の位置を「ステアリングセンター」、つまりハンドルの中心軸に近づけていくことがキモ。これは加速Gへ対応するためですが、もうひとつの理由としてバイクの動き方にヒントがあります。
バイクという乗り物はハンドルが切れることでバランスを保ったり、コーナーを曲がったりすることができます。また、後輪がスライドするときもステアリングセンターを中心にリヤが振り出される動きをします。いわゆるカウンターステアですね。つまり、バイクの動きの中心はステアリングセンターにあるわけです。そこに自分の脳が直結しているイメージが大事。逆に頭の位置が高すぎたり後ろすぎるとバイクの挙動を掴みにくくなり、たとえば滑りやすい路面でリヤが流れたときに瞬時に反応できなくなります。
若干イン側に入れるとよく曲がる
さらにスポーティに走りたい場合、コーナリング時は若干ステアリングセンターから内側に頭を入れると重心移動の効果で旋回しやすくなります。目安としてはイン側のフロントフォークの延長線上か、その少し内側に頭を寄せていくとバランスが取りやすいかと。やり過ぎは禁物ですが、安全な範囲で少しずつトライしてみてください。