サイドビューも、前方から後部まで直線的なキャラクターラインを与えることで、スマートかつ走りの良さを印象付ける。後部のLEDテールランプも大型かつサイドに回り込むデザインとすることで、引き締まった印象とした。ボディサイズは、先代よりもやや大型化した全長4553mm×全幅1748mm×全高1467mm。ホイールベースは、2589mmとなる。プラットフォームについては、第4世代からのキャリーオーバーだが、しっかりと改良を加えたものだ。
インテリアは、先代同等の広さをキープしつつ、前後席ともに、より使いやすく快適な空間を目指したという。水平基調のすっきりしたデザインのダッシュボードとなり、視覚的にも広く感じられるものとした。Bセグとはいえ、装備は充実。エアコン、ディスプレイオーディオ、キーレスエントリー、プッシュ式スターター、シャークフィンアンテナ、マルチインフォメーションディスプレイ、USBソケットなどは全車に標準となる。
パワートレインは、1.0Lの直列3気筒DOHC VTECターボエンジンとCVTの1タイプのみ。最高出力122ps/5500rpm、最大トルク173Nm/2000~4500rpmを発揮。燃費性能も23.8km/L ※と優秀だ。燃料は、エタノール20%混合のE20ガソリンにも対応する。
※UN R101 (E5)基準での燃費データ
このターボエンジンは、新開発ではなく、欧州シビックに搭載されるものをベースに、改良を加えたもの。Cセグメント用のパワートレインをBセグメント用に改良を施すことで見事に収めた。シビック用と大きく異なるのが、インタークーラーで、空冷式から水冷式へと改めた。これは、タイの激しい渋滞を考慮したもの。都市部の通勤ラッシュは名物といわれるほど、激しいものだからだ。これによりアクセルレスポンスが向上し、渋滞時のストップ&ゴーでのスムーズに加速を実現している。
ダウンサイジングエンジンの採用は、コスト高となるが、これはタイでのエコカー減税に対応するため選択だ。燃費では、従来型1.5L車よりも、アイドリングストップとの相乗効果により33%の改善を図れたという。もちろん、走りの良さを犠牲にしたくないため、排気量ダウンに加え、ターボという選択をしたようだ。
グレード構成は、4タイプを設定。エントリーとなる「S」、快適装備を追加した「V」、レザーシートやpple CarPlay/Android Auto対応の8インチディスプレイオーディオを備える上級仕様の「SV」。そして最上級グレードの「RS」だ。
注目は、ホンダ車に広く展開されるスポーツグレード「RS」のシティ初設定だ。クロームメッキ&ハニカムメッシュのグリルやフルLEDヘッドライトなど顔立ちもよりスポーティさを強調。専用の16インチアルミホイールやリップスポイラー、7速パドルシフトなど専用装備を追加。快適装備も大幅にアップグレードされており、スマートフォンアプリとシティを連動される「Honda CONNECT」も標準装備される。
価格帯は、579,500 THB(2,074,610円)~739,000THB(2,645,620円)。
※目安として、1バーツを3.58円で日本円換算した
注目されるグレイスのフルモデルチェンジだが、ホンダ広報部としては、現時点で明らかにできる情報はないという。またグレイスの生産は、日本で行われているため、早急に新型へとシフトする必要性もない。現時点では、未定としか言えない。ただ来年早々に、新型フィットの投入も控えているだけに、少なくとも早期の導入はないとみて間違いないだろう。実際に触れてみると、質感は高く、作りもよさそうだ。ダウンサイズ需要が高まる今、新たな選択肢として、グレードを絞って導入しても面白いと思うのだが……。