グローバルで販売しているリーフ。もちろん北米でも2010年(実質的には2011年から)販売されている。最大の需要地は、カリフォルニアだろう。東西海岸エリア(カリフォルニア、ニューヨーク周辺)が電気自動車の最大のマーケットだろう。
その日産リーフの世界販売は
2014年1月:累計10万台
2015年12月:累計20万台
2018年1月:累計30万台
2019年3月:累計40万台
10万台~20万台の10万台を販売するのに、費やした時間は23カ月。20万台~30万台が25カ月。30万台~40万台が15カ月である。
では、販売台数の推移を見てみよう。
EVとしての最大のライバルがテスラ 。リーフよりかなり高価なモデルSが2014年に登場。いきなり1万7000台近くが売れた。
テスラ・モデルS
2014年:1万6698台
2015年:2万5202台
2016年:2万9421年
2017年:2万7060台
2018年:2万5745台
2019年1-9月:1万675台
2015年にはモデルXが追加された。こちらもリーフより売れている。
テスラ・モデルX
2015年:214台
2016年:1万8223年
2017年:2万1315台
2018年:2万6100台
2019年1-9月:1万4100台
そして2017年には真打登場で、モデル3が登場した。これが売れている。供給に問題がなければ、もっと売れているはずだ。
テスラ・モデル3
2017年:1770台
2018年:13万9782台
2019年1-9月:11万4500台
登場するやいなや年間14万台を売ったのだ。リーフではなくテスラ・モデル3に引き付けられるアメリカ人。なぜなのか? アメリカ生まれ、アメリカ育ちだからか?
となると、シボレー・ボルトEVの動向が気になる。
シボレー・ボルトEV
2016年:579台
2017年:2万3297台
2018年:1万8019台
2019年1-9月:1万3111台
となっている。リーフよりは売れているが、モデル3にはまったく太刀打ちできていない。となると、ボルトEVやリーフになくてモデル3にあるもの。そう、「オートパイロット機能」つまり自動運転技術がアメリカ人を惹きつけているのだろう。
日産にもプロパイロット2.0という世界最先端の運転支援技術がある。はやくリーフにも搭載して、モデル3と真っ向勝負を演じてもらいたい。
前述したように、アメリカでいまもっとも売れているEVは、テスラ・モデル3だ。これに対抗するには、航続距離はもちろんだが、EV+アルファの魅力が必要になる。+アルファが自動運転機能なのか、圧倒的なコストパフォーマンス(つまり安い)なのか、圧倒的な充電性能(充電が速い)なのか? いずれにせよ、モデル3がEVの競争を次のステージに引き上げたことは間違いない。
北米だけでなくグローバルに見てみよう。
2018年の世界全体のEV販売台数を見ると
1位:テスラ ・モデル3
2位:BAIC ECシリーズ
3位:日産リーフ
4位:テスラ ・モデルS
5位:テスラ ・モデルX
6位:JAC IEV
7位:BYD e5
8位:ルノーZoe
9位:Chery eQ EV
10位:BAIC EU-Series
となっている。BAIC(北京汽車)、JAC(江淮汽車)、BYD、Chery(奇瑞汽車)は中国の自動車メーカーだから、トップ10の半数は中国EVということになる。
本格的に北米で販売している中国製EVはいまのところないが、「圧倒的なコストパフォーマンス」があれば、アメリカでのEV販売戦線も「異常あり」になる可能性は否定できない。
米中貿易摩擦が収まれば・・・の話であるが、中期的にはその可能性はあり、だろう。
がんばれ、リーフ、がんばれ、日産。とエールを送りたい。