トヨタの理念である「お客様第一」を目指して開発されたヤリスの機能を紹介
全面刷新された新型ヤリスは、主要コンポーネント以外にも注目の新装備が数多く投入されている。それらの目的と工夫を見ていこう。
新型ヤリスの全長は基本グレードで3940mm、全幅1695mmと発表されている。全幅は5ナンバーサイズの上限であるが、全長は競合各車よりも短い。日産ノートは4100mm、マツダのMAZDA2(旧デミオ)でも4065mm、ホンダの現行フィットは3990mmだが、独自のセンタータンクレイアウトを採用し広い室内を実現。新型ヤリスの全長は扱いやすさを重視したパッケージングで、後席の居住性などはある程度割り切っている設定だろう。ちなみに現行ヴィッツは3945mm、アクアは4050mmでヴィッツは伝統的に小さなサイズを守っている。
インテリアでも、ダッシュボード全体の断面を薄くすることでワイドな印象を与えつつ、ステアリングを小径化。室内をより広く感じさせるようにした。
同時にメーターはフードレスの双眼デジタルTFTメーターとして、インパネ上面のスッキリとした印象を強めている。車内の前席ドアハンドルもハンドグリップと一体化させ、とっさの時につかみやすい形状とスタイリッシュな意匠を両立させた。
注目はトヨタ車で初採用となるイージーリターンシート。小柄なドライバーは運転席前後スライドをかなり前に出し、降車時は後ろに下げる必要があるが、これでは乗り込むたびにシート前後位置調整が必要になる。そこで、専用のレバーを用意し、前回のスライド位置までワンアクションで戻れる機能をもたせたのだ。
先代のヴィッツハイブリッドはFFのみの設定だったが、雪国の顧客から4WDのリクエストが多かったという。そこで新型ヤリスではトヨタのコンパクトハイブリッドで初めて電気式4WDシステムE-Fourを採用。専用の2リンク・ダブルウィッシュボーン式リヤサスと、プリウスで実績のある誘導モーターの小型アクスルを組み合わせて登載した。
オプションで用意される、アクセル/ブレーキ/ステアリングを自動制御する高度駐車支援システム「Advanced Park」は駐車スペースの白線を認識し駐車を行なうのだが、白線のない自宅駐車スペース等でも使いたい、という声が挙がるのは当然のこと。そこで新型ヤリスの「Advanced Park」は、をドアミラー部分に内蔵しているカメラを使ってメモリーし、駐車スペースの登録ができる。一度登録したスペースは自動認識されるようになり、白線がなくても駐車支援が可能となる。これは世界初の装備だ。