個々のモビリティに代わる持続可能で魅力的な選択肢を増やすため、公共交通機関の相互接続と拡大が進められている。これには、ライドシェアリングや電動バイクのレンタルステーション、バスや電車など従来の輸送手段も含まれる。
ZFは、コンパクトでパワフルなザックスRSペダル補助モーターから連節バス向けの2モーター搭載電動ドライブまで、あらゆるサイズの車両に対応する電動ドライブソリューションを提供している。「プラグ・アンド・ドライブ」アプローチを採用したCeTrax電動セントラルドライブによって、バスメーカーは、シャシ、アクスル、車体構造、デファレンシャルギアなどに大きな変更を加えずに既存の車種を電動化することが可能になる。
また、世界中で数千ものテストがすでに行われているAxTrax AVE電動ポータルアクスルも、バスメーカーにとって魅力的なソリューションだ。いずれの製品でも、最適な形で既存の車両にレトロフィットして電動化することができる。レトロフィットはZFが提携しているエンジニアリング企業であるe-troFit GmbH社から提供される。
ZFは、CeTraxとAxTrax AVEのどちらも、インバータと制御系を統合し電動システムとして提供することで、顧客に最高の性能、効率、サービスライフを保証する。ZFは電動ポータルアクスルのサプライヤーとしてだけではなく、ワールドワイドなサービスネットワークも提供する。
また、ZFは、従来のパワートレインの効率向上とエミッション低減も重視している。ZFグループは、バス向けの新世代EcoLifeオートマチックトランスミッションにより燃費を最大3%削減することを可能にした。この新世代EcoLifeは、ブリュッセルで行われるBusworld Europeで発表される予定だ。
輸送会社にとって信頼性と効率性は重要事項である。ZFは、スマートデジタルソリューションの幅広い知識を駆使し、予期しないダウンタイムの回避と効率的なフリート管理を可能にする。
ZFグループでは、電動バスのみを運用しているフリートと電動およびエンジン搭載バスが混在しているフリートの両方に、“Openmatics”コネクティビティプラットフォームを包括的なツールとして提供している。Openmaticsは電動ドライブラインから得られるすべての関連パラメータと診断データを保存し、バス事業者が充電インフラを最大限に活用し、また車両のメンテナンス時期を予測しつつ運行計画を策定することを可能にする。
また、ZFは、EcoLifeトランスミッションシステム用の新しいクラウドベースの予防メンテナンスプログラムを開発した。市バスでの使用を想定したZF-DriveLifeは、トランスミッションの状態を確実かつ総合的に常時モニターして分析する。バス事業者とバスメーカーは、予防メンテナンスによってトランスミッションの耐用期間を最大化しながら、コストとダウンタイムを最小限に抑えることができる。同様の予防メンテナンスアプローチは、TraXonを搭載した観光バスにも採用されている。この新しい機能によって、将来的な商用車のデジタル化に対応可能な、優れたTraXonトランスミッションシステムを準備している。
将来的には、ライドシェアリングサービス向けの自動運転輸送システムも、スマートな都市モビリティで重要な役割を担うと考えられる。ZFは、ロボタクシーが都市部を安全・確実に走行できるように、幅広いカメラ、レーダー、ライダー・センサーを開発してきた。
自動車業界でもっともパワフルなセントラルコンピュータである、AI搭載ZF ProAI RoboThink制御ユニットも提供している。合弁企業e.GO Moove GmbHおよび、ZFグループが昨年春に株式の大半を取得したオランダのモビリティサービスプロバイダの2getthere社との協力のもと、ZFは、未来の都市モビリティを形づくるさまざまな自律輸送システム開発に取り組んでいる。ブリュッセルで10月18日~23日に開催されるBusworld Europeでは、ZFのソリューションがホール5、スタンド506で展示される予定だ。