発表会に登壇した丸本 明マツダ代表取締役社長 兼 CEOは、「世界的なSUVシフトの中で、CX-5に続き、ブランドを牽引していく存在」として、グローバルモデルのCX-30が担う役割の大きさを強調。さらに、同車をどこにでも気軽に出かけられるジャストサイズのSUVであるとアピールした。
魂動デザインの哲学より生み出されたエクステリアは、スリムで伸びやかなプロポーションを与えながら、ボディ下部の幅広い領域にクラッディングパネルを設けることで、SUVらしさを演出しながらも演出。コンパクトSUVらしい機敏な走りを連想させるスポーティなスタイルに仕上げた。
一見ワイドに見えるスタイルだが、全長4395㎜×全幅1795㎜×全高1540㎜と街乗りにも最適な取り回しやすいサイズを確保。全高も、一般的な立体駐車場に対応可能な範囲とした。さらにSUVに求められる最低地上高(175mm)を確保しながらも、自然な乗降が可能な着座位置の両立も実現としたという。
インテリアは、ドライバー中心のコクピットデザインに加え、質感の高さも追及。トリムカラーもシックなものとし、落ち着きある空間に仕立てている。前席は、乗員間隔をCX-5同等の広さとし、幅広のセンターアームレスト及びドアアームレストを採用することで、快適な着座姿勢を提供。後席も前席との距離を長めにとると共に、大柄な人でも余裕をもって着座できる頭上空間を確保した。またラゲッジ部は、標準で430Lの容量を備え、「パワーリフトゲート」をエントリーの「20S」を除き、標準化した。
装備面では、ダッシュボード上にインフォテイメントモニターを全車に標準化。オプションのナビゲーション用SDカードを購入すれば、ナビ機能が使えるほか、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応。また車載通信機も全車に搭載することで、コネクテッドサービスなどを強化し、快適なカーライフをサポートする。さらにオーディオシステムにも力を入れており、8スピーカーの「Mazda Harmonic Acoustics」を基本とし、アップグレードに、12スピーカーの「Boseサウンドシステム」も用意する。もちろん、先進の安全運転支援機能「i-ACTIVSENSE」を全車に最新世代を搭載している。
パワートレインは、2.0ℓ直列4気筒自然吸気ガソリンエンジン「SKYACTIV-G2.0」と1.8ℓ直列4気筒クリーンディーゼルターボエンジン「SKYACTIV-D1.8」。そして、新世代のガソリンエンジン「SKYACTIV-X2.0」の3タイプを設定。ガソリンエンジン車は、6速MTと6速ATの選択が可能で、クリーンディーゼル車は、6速ATのみとなる。
またプラットフォームなど基本構造には、マツダ3に続き、新生代車両構造技術「-VEHICLE ARCHITECTURE」を採用。AWDシステムも進化させ、新たな「オフロード・トランクション・アシスト」を搭載。悪路でスタック時の速やかな脱出を可能するなど、SUVに最適なAWDシステムとしている。
CX-30は9月27日(金)からの東京ミッドタウン日比谷での展示イベントを皮切りに、全国都市展示イベントをスタート。正式な販売スタートは、SKYACTIV-G2.0とSKYACTIV-D1.8搭載車が2019年10月24日を予定しており、注目の新エンジンSKYACTIV-X2.0搭載車については、2020年1月以降とされている。
価格帯は、SKYACTIV-G2.0搭載車で、239万2500円~303万500円。SKYACTIV-D1.8搭載車で、288万7500円~330万5500円。SKYACTIV-X2.0搭載車で、329万4500円~371万3600円となる。月販販売計画には、2500台を掲げている。
写真で見るよりも、ずっとコンパクトに感じるCX-30。大きすぎないボディサイズと大人4名の快適な空間を確保した実用性は、日本にも適した1台といえそうだ。続々とコンパクトSUVが新規参入を見せる輸入車と異なり、国産車としては久々の小型SUVである点から見ても、ライバルを含めて今後の動向に注目だ。