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TEXT:松沼 猛(MATSUNUMA Takeru)
今大会は、有力校の実力差が縮まった。直線、コーナー、スラローム、シケインなどを設けた約800mコースのタイムを競う「オートクロス」では、約3秒の間に8チームがひしめき合うカタチとなった。これによって、成績上位6校が走る最終プログラム(約20kmの連続走行を行なうエンデュランス)のファイナル6は、どこが優勝するかわからない状況となったが、安定しない天候の影響か、6チーム中4チームがマシントラブルでリタイア。その結果、逆転で名古屋工業大学が総合優勝を飾った。
今年のマシンを振り返ると、まずはEVクラスに過去最多の26チームが参加したことを取り上げないわけにはいかない。そのうち、中国勢をはじめとした14チームが海外チームだ。まさに現在の自動車業界の流れを反映した縮図だが、トピックは、3連覇を果たした名古屋大学EVチーム。昨年とは同じ駆動系を使わず、果敢に4輪インホイールモーター化を進めてきた。日本チームとしての意地、強さを感じた。
ICVクラスでは、海外チームの影響か、単気筒エンジンで軽量化を図ってきたチームが増えてきたように思える。ただし、世界の流れは、ターボ、インタークーラー化が進み、車重も160kg前後で製作して上位に入ってきている。日本大会も、来年以降は、高出力化へ向かうのではないだろうか。
今大会、とくに注目を集めたのが、デザイン審査でグランプリを獲得した京都大学だ。昨年の仕様からフレーム、シャシー、エンジンをすべて変更した。同じコンセプトではこない。しかも、ちゃんとマシンとして完成している。しっかりと考えてクルマを造れるのは京都大学の強みだ。以前は、上智大、大阪大、豊橋技術科学大など、速いチームがデザインファイナルに残ることはあったが、ここ最近の傾向では速さとデザインがリンクしないように思える。ただし、名古屋工業大学や京都工芸繊維大学といったチームはその可能性を感じる。来年は期待したい。
学生フォーミュラを俯瞰すると、傾向としては、上位にくるチームほど研究熱心であり、指導者である先生の力を借りず、自分たちで考えて行動しているように思える。他のチームが新しいことを仕掛けてくると、そのチームのピットへ行って、担当者に調査している姿をたくさん見かけた。誤解を恐れずに言うと、偏差値は関係ない。常に「なぜ?」という疑問を持って、自分たちで考えてマシン造りを行なう。学生フォーミュラの基本概念と結果が一致している証拠だろう。
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